今回は、元本の返済を長期で据え置きできる「融資制度」について紹介します。※本連載は、福井泰代氏が代表取締役を務める「株式会社ナビット」が運営するWEBサイト、「助成金なう」のブログから一部を抜粋し、助成金・補助金に関する疑問や、専門用語をQ&A方式でわかりやすく紹介いたします。

事業再生等に取り組む企業の「財務体質強化」が目的

日本政策金融公庫では無担保・無保証人の挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)という融資制度を設けています。

 

これは、創業・新事業展開・海外展開・事業再生等に取り組む企業の財務体質強化を図るために資金を供給する目的であり、借り入れた元本は長期の据え置きのため、金利のみを支払うことになり、企業にとっては元本返済のことはあまり考えずに事業に集中できるというものです。

 

つまり、借入ですが、借入というよりも資本と同じようなものですよということで資本性ローンといいます。

申請には「綿密な事業計画・返済計画」が必要に

通常の融資ですと大きな額の借り入れがあった場合、他からさらに借り入れることは難しくなりますが、資本性ローンの場合、金融機関同士ではある一定期間資本とみなしましょうということになっているので、資本性ローンがありながら通常の融資も受けやすくなっています。

 

据え置き期間は5年1か月から15年となり、期限が到達した際には一括返済となっていますが、一括返済が難しいことが多く、通常融資に切り替えるバターンが多くあります。

 

金利は、直近決算の業績に応じて区分されており、減価償却を加味しても利益が出ていなければ金利も1%未満と低い金利になっています。

 

国民生活事業では4000万円、中小企業事業の場合3億円が上限となっています。

 

資本性ローンを申請するのは、綿密な事業計画と返済計画が必要になりますが、将来需要が多く発生することが見通せる事業であればぜひ、チャレンジをお奨めします。

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