年金をあてにした老後の計画はあまりにも危険
仮に定年まで何とか乗り切ったとしてもその先があります。老後にお金がないというのはさびしいものです。
総務省の調査(2013年)によると、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯の支出額は1世帯当たり月27万2455円。このうち21万4863円は公的年金などの収入でまかなっています。では残りの5万7592円はどうするかといえば、不足分として預金などを切り崩す必要があるわけです。
日本人男性の平均寿命が約80歳として、最低でも15年は毎月27万2455円の支出が続くと、いくら必要か計算してみましょう。
27万2455円×12か月=326万9460円(1年間に必要なお金)
326万9460円×15年間=4904万1900円(老後に必要なお金の総額)
これからの日本は、世界中のどの国も体験したことのない超高齢社会を迎えます。そのため年金は、サラリーマンなどの現役世代が保険料を支払い、その保険料で高齢者世代に年金を給付するという「世代間扶養」の仕組みが今後も維持できるとは誰も言い切れません。仮に維持できたとしても受給額は、確実に今よりも減るでしょう。
事実厚生労働省は、このまま経済が成長しなければ、皆さんの世代が年金を受け取るときの金額は、現在の約63%から約35%にまで減ると試算しています。
年金をあてにした老後の計画はあまりにも危険といえます。まったく出ないということはないとしても、安心のためにはたとえ年金がゼロでも暮らしていける蓄えが必要です。前述の計算でいえば定年を迎えた時点で約5000万円貯蓄があればひとまず安心といえそうです。
定年後に安心して暮らすには「年収+200万円」必要
前述の金額はあくまで平均値ですから、老後をどこで暮らすかによって大きく変動します。
国や自治体の補助金が出ている特別養護老人ホームは、入居金がなく、月々の利用料も1人当たり10万円前後と安価なので現状の年金受給額を維持できていれば入居可能でしょう。しかし、その安価さゆえに待機者が多く、入居申請から入居まで数年かかることも珍しくありません。また、相部屋しか空かないというケースもあるので落ち着いて暮らしたい人には向きません。
その対極にあるのが、民間企業が運営する有料老人ホームです。この施設は比較的豪華なつくりが多く、高級マンションと見間違えてしまうようなものもあります。居室も広めの個室で、その分費用がかかり、入居一時金は1人当たり数百万円から数千万円。毎月の利用料は十数万円から数十万円、となれば、年金だけで住むことは、まず不可能です。
平均的な支出でも毎月6万円近い赤字、少し豪華な老人ホームを望めば数百万円以上の一時金・・・。老後は必ず、ある程度まとまったお金が必要になるのです。
仮に40歳なら定年まであと25年です。5000万円を25年で貯めるとすると、現在の年収にプラスして200万円はなければ、老後の生活に不安を抱えることになります。
しかし、家族が喜ぶディズニーランドも海外旅行もあきらめ、ぎりぎりの生活で200万円を積み立てていくのは、あまりにもさびしい人生です。それどころか、少しでも子に良い教育をと考えるなら、あるいは少しくらい生活に余裕をと考えるなら、もう100万円プラスして収入がほしいところです。
サラリーマンとしての年収500万円にプラスして、副収入でプラス300万円の合計800万円。年収500万円アップと言われれば難しいかもしれませんが、300万円であれば、すぐにでも実現することができる方法は実はあるのです。