現代のサラリーマンに広がる「年収格差」
国税庁によると、サラリーマンの平均年収は35歳から39歳男性で498万円、40歳から44歳は561万円です(『平成24年分民間給与実態統計調査』より)。
ピークは50歳から54歳で634万円。つまり、30代後半から、その後どれくらい年収が上がるかというと、あと100万円上がるかどうかなのです。
もちろん、これらはあくまで「平均年収」ですから、皆さんの収入に当てはまるものではありませんが、しかし、人口減、低成長時代に突入した日本で、この先大幅な収入増が厳しいことだけは間違いないでしょう。
そういう意味では、国民総中流がとっくに終わった現代、サラリーマン稼業も2極化が進行しています。一握りの勝ち組サラリーマンたちが大きな収入を得て、その他大勢のサラリーマンは低収入に甘んじる。
サラリーマンたちの間にも格差社会が広がっていくわけです。もはやベースアップしたくてもできない会社の実情は、誰の目にも明らか。皆の収入が均一に上がる社会に戻ることはありません。
唯一収入を増やすための出世競争は厳しさを増す一方。30代・40代の働き盛りは、この先も社内で熾烈な闘いを勝ち抜き続けなければなりません。さもなくば、50代で、年収634万円の収入を得ることすらできないかもしれないのです。
収入は増えず、支出が増える一方の30代・40代
収入増が見込めないにもかかわらず、年々支出は増える一方ではないでしょうか。たとえば、子ども1人当たりの教育費は増加の傾向にあります。
中学受験率の推移を見てみましょう。ベネッセ総合研究所の資料によると、1986年の首都圏における中学受験率は8.5%でした。1クラス40人のクラスに約3人の割合。しかしその後、この割合はぐんぐん増加し、2008年には20.6%です。クラスに約8人、5人に1人は中学受験をするのです。
私にも3人の子どもがいますが、教育費の高さには本当に頭を抱えてしまいます。
今は幼稚園に入る頃から、英会話や幼児教室などは当たり前です。1つあたり毎月3万円から5万円の月謝がかかり、夏休みや冬休みの合宿時には一気に10万円以上が飛んでいきます。
文部科学省の調査では、たとえ小学校から大学まで公立・国立に通わせたとしても前述の塾などの月謝を含めた教育費の合計は約900万円。それが小学校から大学まですべて私立で、しかも大学は理系にすると教育費の合計は約2200万円となります。
子ども2人の家庭なら合計4000万円以上。一般的なサラリーマン家庭の収入だけではどう考えても赤字です。当然家族みんなで海外旅行にも行くことができません。
かといって子どもの教育には手を抜きたくない、というのが多くの親の気持ちでしょう。