目標に対して「誓い」を立てれば、ビジョンが明確に
目標を設定し、その実現に向けて行動するときに「意識すること」をより強く頭に残しておけるのが、アンソニー・ロビンズの次の言葉です。
「思うのと誓うのでは決定的な違いがある」
目標に対して〝誓い〟を立てるようになると、不思議なことに目標を定めるときに、より明確なビジョンを想定するように、自然と頭の仕組みが生まれ変わります。
たとえば以前なら「億万長者になりたい!」だったものが「純資産1億円以上を目指したい!」に変化するのです。
どちらも大金を手にしていることに変わりはないでしょうが、目に見えて違いがありますし、何より秘められた意識の高さが違います。
また、自分の可能性を具体的に評価できているからこそ、具体的な目標設定にもつながります。
「思う」だと、何となく漠然としたイメージでふんわりした感じですが「誓う」になると、とたんに現実味を帯びてくるのです。
目標のある・なしだけで年収に2倍の差が!?
目標が現実的になると、どうなるのか。
ブライアン・トレーシーの知人で、ハーバード大学MBAコースで教鞭を取っていたこともあるマーク・マコーマックが、卒業生に実施した調査が、その答えを教えてくれます。
彼は在学生に対して、
「未来について明確な目標を書き、それを達成するための計画を立てているか?」
という質問が書かれたペーパーを配布しました。すると、
①「イエス」= 3パーセント
②「目標はあるが書き出していない」= 13パーセント
③「目標なし」= 84パーセント
という結果が出ました。
その10年後に、当時質問に答えた元学生たちに追跡調査を実施します。
結果は驚きの内容でした。
彼が質問したのは「現在の年収」です。
すると……。
③の平均年収×2=②の平均年収
(②+③)の平均年収×10=①の平均年収
つまり、目標のある・なしだけで年収には2倍の差がつき、それを書き出していない97パーセントの学生が稼いでいる10倍の年収を、書き出した3パーセントの学生たちは稼いでいたわけです。
冒険投資家のジム・ロジャーズも著書にこう書いています。
「若者が節約し、正しく投資する1ドルは、後に20倍になって返ってくる」
明確な目標があるからこそ、その実現に向けた行動を取れるということでしょう。これはアンソニー・ロビンズの、
「これからの10年をどう過ごしていくか。10年後のために、今日何をすべきか」
この問いかけが重要な意味を持つことを教えてくれます。
今日何をすべきか。
これこそ「目標設定」にほかなりません。目標が設定できてこそ、10年間の過ごし方というプロセスが生まれるのです。私も〝学び〟を通じて、数年スパンで事業を進めるという発想を心がけています。
そうすると、実現したい日取りから逆算して、いつまでに何が達成できていなければならないか、いつまでに何の準備をすればいいのかが、自分自身で明確につかめるようになるからです。
たとえばセミナーなどのイベントを開催する側に立った場合、主役のスピーカーとの交渉はいつまでに終えるか、何人ぐらいの参加が予想されるか、その開催に適切な会場はどこで、いつまでに予約すればいいか。
そういったことが並行して考えられるようになり、どんな順序で何を準備すればいいのか、理解しやすくなります。