1人の高齢者を1人の現役世代で支える「肩車型社会」に
あと8年後には「2025年問題」がやってきます。「2025年問題」とは、団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達することにより、介護・医療費等社会保障費の急増が懸念される問題です。
下記図表によると、1人の高齢者を何人の現役世代で支えるかという数字を見るに、今は2.4人(2017年財務省HPより)と、1人の高齢者を2人の現役世代で支える社会ですが、50年後には1.3人と、1人の高齢者を1人の現役世代で支える「肩車型社会」になることになります!
しかもこれは現役世代人口全員が「支えるだけの資質を有している」のが前提となります。病気などの健康状態により、あるいは失業状態で生産の担い手として勘定できない、または自分自身の生活を継続するのに精一杯な場合、実質的な高齢者を支える観点での現役世代人口はこの値からさらに減り、支える人たちの負担は増大してしまうのです。
[図表]高齢世代1人に対する現役世代の比率
8年後の2025年、高齢者人口は、約3500万人(人口比約30%)に達すると推計されています(厚生労働省)。高齢者(65歳以上)1人に対して生産年齢人口(15~64歳)が何人で負担するのか? という人数も年々、大きく変化してきました。
2065年、日本の総人口は「8800万人」にまで減少
私は1986年生まれですが、私と同じ年に生まれた人は全国で約138万人います。ところが、2016年生まれの子どもの数は98万1000人で、初の100万人割れとなりました。これからの社会保障などの制度設計の土台となる、今後50年間の日本の人口推計表を見ると、5年前の推計に比べて少子高齢化のスピードはやや緩やかになったものの、人口の多い団塊ジュニア世代、今の40代が出産可能な年齢を過ぎました。いよいよ日本は超少子高齢化の険しい坂道を長期にわたって登っていくことになります。
そんな先のことなど自分には関係ないと思いますか? しかし、皆さんのお子さんやお孫さんが、今よりはるかに重い負担や給付の削減という厳しい現実に直面することになるのです。今後の人口推計表でもわかるように、高齢者1人を現役世代1人で支える「肩車型社会」になることが避けられないという現実。
2015年の国勢調査の結果をもとに推計された人口の推移ですが、総人口は、現在1億2700万人。これが50年後の2065年には8800万人に減少します。今の人口規模の3分の2に縮小してしまいます。
次に高齢化率です。今は65歳以上の人の割合が27%、これが2053年に38%まで上昇し、その後も38%の高い状態が続くと推計されています。一方、現役世代、15歳から64歳までの人口の割合は、今の61%から51%に減少します。
2025年は最も人口の多い団塊の世代がすべて75歳以上となる時代。都市部で医療や介護が必要な高齢者が急増するため、今、政府は在宅での医療や介護に取り組む医師や看護師を増やしていこうとしています。
しかし、二度の消費税増税の先送りなどで、財源が今後どの程度確保できるのか分からず、この2025年までの対策でさえ、どこまで実現できるか見通せない状況です。
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