前回は、プロパンガスと都市ガスの違いを説明しました。今回は、都市ガスより火力の強い「プロパンガス」の活用事例を見ていきます。

金属の溶接工場、中華料理店などが使用

都市ガスと比べてプロパンガスのほうがカロリーが高いことはすでに述べましたが、燃焼時の熱量は約2.2倍です。つまり、2倍強の火力があると考えてください。

 

そのため、都市ガスが整備されているエリアでも、都市ガスの火力では足りない金属の溶接をするような工場や、火葬施設の多くは、プロパンガスを使っているはずです。

 

もっと身近なところでは、中華料理店、てんぷら専門店、とんかつ専門店、鉄板焼き店、お好み焼き店など火力が強ければ強いほどおいしい料理ができる飲食店では、プロパンガスがよく使われています。

一般の家庭での高温調理への利用は専用設備が必要に

機会があったら、近所のレストランや食堂の裏手、あるいは隣家との間をのぞいてみてください。そこにプロパンガスのボンベがあれば、強い火力で調理をしているはずです。

 

中華料理店の厨房で、フライパンの上でボワッ! と炎が燃え立つ迫力の場面に遭遇したことのある人は少なくないでしょう。あれは、火力が強いプロパンガスならではの技なのです。電力はもちろん、都市ガスでも、あそこまでの火力にはなりません。

 

ただし、一般家庭用のガスコンロは、火力が一定の強さ以上にならない仕組みなので、高熱量を必要とする場合は、専用の設備にしなくてはいけません。

 

余談になりますが、私が子どもの頃は、プロパンガス専用のてんぷらを揚げる装置が自宅にありました。ほかの料理は一般的なガスコンロで、てんぷらは専用の装置で、からっとおいしく揚がった魚介類や野菜を楽しんだことを憶えています。

エネルギー戦国時代は プロパンガスが制する

エネルギー戦国時代は プロパンガスが制する

後藤 庄樹

幻冬舎メディアコンサルティング

相次ぐ企業統合、新規参入、そして新エネルギーの登場……。 電力・ガスの自由化によってエネルギー業界は大変革期を迎えています。 市場では、大手エネルギー企業を中心に、割引プランやセット割など各社さまざまな施策を…

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