30年で大幅に減少したプロパンガスの事故発生率
この30年でプロパンガスの事故は大幅に減少し、10万世帯あたりの事故発生率は0.82件(2013年実績)です。さらにプロパンガスの死亡事故発生率は10万世帯当たり0.015件(同)。つまり1000万世帯に1.5件です。
同じ調査の「家庭内における不慮の事故(生活を営む住居・敷地内で発生した事故全般)による死亡事故発生率」が10万世帯あたり27件なので、プロパンガスの事故および死亡事故がいかに少ないかがわかります。
2008年10月には法改正があり、ガスコンロへの「調理油過熱防止装置」「立ち消え安全装置」などの安全装置の設置が義務づけられています。このタイミングでガスコンロの事故は急勾配の右肩下がりで減っていきました。
また、2008年4月以降に製造されたガスコンロは、すべてのバーナーにセンサーを搭載したSiセンサーコンロになりました。Siセンサーコンロの普及は年々広がり、ガスコンロの事故の減少に加速がかかりました。
多様なコンロの安全装置で事故を未然に防ぐ
2017年にいたっては国内のガスコンロのほとんどはこのSiセンサーコンロになっていると考えられます。このタイプのコンロの安全装置は次の通りです(日本ガス協会より)。
①調理油過熱防止装置
鍋やフライパンの底の温度をセンサーが感知し、約250度になると、自動的に消火。油の発火を防ぐ。
②立ち消え安全装置
煮こぼれ、吹きこぼれ、強風などで火が消えたとき、自動的にガスを止める。
③コンロ消し忘れ消火機能
火を消し忘れても、点火後一定時間が経過すると自動的に消火。
④焦げつき消火機能
煮物などが焦げつくと、初期段階で自動消火。
⑤鍋なし検知機能
コンロに鍋がのっていない状態では点火せず、使用中も鍋をはずすと自動的に弱火になり、一定時間が経過すると消火する。
このようなガスコンロの安全機能と、前述のプロパンガスに関する安全環境が整備されたことで、ガスコンロの事故はさらに減っていく傾向にあります。
[図表]一般的なガスコンロの仕組み