「伸びしろ」が十分にある、中国からの直接投資
世界第2位の経済大国である中国は、自らを投資家・貸し手・貿易パートナーを自任している。スリランカは、国際貿易の交差点に位置するその戦略的ポジションにより、貿易パートナーとしては規模が小さいのにもかかわらず、中国の興味を惹くことが出来た。ここに二国間関係を更に強化するチャンスがある。
香港を含む中国からのスリランカへの直接投資は、2013年に4億ドルに到達した。その額自体は、同年の中国の海外投資のうち僅か0.2%で、伸びしろは十分にある。もしスリランカが信頼を獲得できれば、直接投資が大幅に増加することが見込める。2013年には、中国は世界全体の直接投資のうち7%をも担っていた。また近年、中国政府はスリランカのインフラ整備に対する中心的な貸し手のひとりとして存在感を増してきている。
観光産業でも大きくなっている中国の存在感
観光産業はスリランカにおける成長分野であるが、スリランカへの観光客を国別で見た時に、中国は2番目に多い国に位置している(一番多いのはインドからの観光客)。そして全観光客における割合でも、中国人旅行客は10%以上を占めている。この数は増えており、2015年7月は前年177%を超え、増加率においては一番高い。
直接投資・インフラ融資・観光産業のいずれも、スリランカの経済成長を促すのに大きな役割を果たす。この結果、中国との貿易量が増加することで連携が強化され、自由貿易協定にも良い影響を与える。世界人口の6人にひとりという巨大な人口を抱える中国人との結び付きを深めることで、中国からのさらなる直接投資・対外支援・観光客の増加が期待できるのだ。