「動産・不動産」によって準拠法が異なる場合も
概 説
タイには,国際私法として「仏暦2481年・法の抵触に関する法律」が定められている。それによると,不動産の相続は不動産所在地法(同法37条),動産の相続は被相続人が死亡した住所の法律による(同法38条)とされており,動産不動産によって準拠法が異なる場合があるので,注意が必要である。
タイは人的不統一法国であり,相続に関しては「タイ民商法典」が適用されるが,タイ南部の4県における相続に関しては,「仏暦2489年パッタニー県,ナラティワート県,ヤラー県及びサトゥーン県区域におけるイスラム法の適用に関する法律」が適用される。
インターネット上で検索可能な「タイ民商法典」
調査方法
インターネット上では,タイ民商法典は「Thailand Civil and Commercial Code」で検索できる。また,JETRO(日本貿易振興機構)がタイ民商法典を翻訳したものを閲覧することができる(https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/business/regulations/pdf/corporate_020.pdf)。
書籍では,木村三男監修『全訂 渉外戸籍のための各国法律と要件〔中巻〕』(日本加除出版,2007)に条文が掲載されている。