今回は、地域活性化を後押しする「ふるさと名物応援事業」の概要を説明します。※本連載は、福井泰代氏が代表取締役を務める「株式会社ナビット」が運営するWEBサイト、「助成金なう」のブログから一部を抜粋し、助成金・補助金に関する疑問や、専門用語をQ&A方式でわかりやすく紹介いたします。

地域資源の活用などを行う企業・事業者を支援

地域資源の活用が見直されている現在、様々な名産品や工業品で地域を活性化させる試みが全国で行われています。

 

地方の人口減少や高齢化による経済縮小を食い止めるべく、地方行政は様々な施策をしていますが、ふるさと名物応援事業は、国もそうした地域資源の活用や農林漁業者との連携による商品・サービスの開発や販路開拓に取り組む中小企業や小規模事業者を支援する補助金です。

平成29年度は、予算がさらに拡充

27年度の補正と28年度の予算では、「ふるさと名物応援事業」の中に、「ふるさと名物支援事業」、「JAPANブランド育成支援事業」、「TPP対策JAPANブランド等プロデュース活動支援事業」の3つに分かれていました。

 

それぞれは以下の通りです。

 

1.「ふるさと名物支援事業」

 

(1)地域産業支援活用事業

中小企業、小規模事業者が、地域資源を活用して海外市場を見据えた商品・サービスの開発や販路開拓の取組を補助(上限500万円)

 

(2)小売業者等連携支援事業

海外市場への展開を狙った地域資源の活用や農林漁業者との連携により商品開発等に取り組む事業者に対して、一般社団法人等が行う消費者嗜好に関する情報提供、マッチング支援に対する補助(上限1000万円)

 

(3)低未利用資源活用等農商工等連携支援事業

中小企業、小規模事業者が、農林漁業者との連携により行う海外市場を見据えた、加工食品の開発、それに付随する鉱工業品の開発やそれらの組み合わせによるブランド化の取組等の費用に対して補助(上限500万円)

 

(4)ふるさとプロデューサー等育成支援事業

地域の関係者を巻き込み、地域資源を活かした魅力ある産品を「地域ブランド化」し、海外市場を見据えて、販路開拓を行う取組の中止的担い手になることができる人材の育成への取組に対して補助(定額補助)

 

2.「JAPANブランド育成支援事業」

 

(1)戦略策定支援事業

「ふるさと名物」などの地域産品が持つ素材や技術等の強みを活かし、ブランドコンセプトの確立に向けた戦略の策定に対して補助(上限200万円)

 

(2)ブランド確立支援事業

海外販路開拓に向けたブランド確立のため、新商品開発や海外展示会出展等のプロジェクトに対して補助(上限200万円)

 

(3)海外専門家招聘支援事業

海外販路の開拓を目指す中小企業・小規模事業者に対して、海外から招聘した現地の市場ニーズに精通する専門家によるアドバイスを通じて、海外向け商品の開発を支援(定額補助)

 

3.「TPP対策JAPANブランド等プロデュース活動支援事業」

 

日本の特色を生かした商材を有する中小企業が、海外のニーズ等に詳しい外部人材を活用し、TPP参加国の市場獲得を目指して「市場調査、商材改良、PR活動、海外販路開拓」を一貫してプロデュースする活動に対して補助(定額補助)

 

内容は若干異なるかもしれませんが、29年度は予算が拡充されていますので、地域資源を掘り起こしたり農林漁業者と連携して地域活性化を目指す企業は、ぜひ「ふるさと名物応援事業」に注目して応募しましょう。

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