物件資料(レントロール)の妥当性をチェック
Q:「入居率」と「レントロール」、プロはどう見る?
中古の収益物件の購入を検討する際、物件資料として「レントロール(入居者一覧)」を渡されます。どこをチェックすればよいのでしょうか? また、現状で入居率が低い物件は、やはり購入しないほうが賢明なのでしょうか?
A:賃料水準の妥当性と、入退去履歴をチェック。入居率が低い物件は、その原因を確認する
収益物件活用における収益とは賃料収入です。賃料収入は毎月安定している代わりに、営業努力で売上を大きく伸ばすこともできないため、いくらの家賃で入居者が入るか(入っているか)が、非常に重要になってきます。
物件の資料には、必ず既存入居者の入居条件の一覧表が付いています。この表を「レントロール」(賃料表)といいますが、物件の購入を検討する際には、このレントロールの妥当性を確認する必要があります。
賃料は「現在の相場」に引き直して検討を
まず、入居者の入居期間と賃料の関係をチェックしてみてください。長期間入居している人の賃料は、現在の相場賃料に比べて高くなっているはずです。たとえば、10年前に賃料10万円で入居した人が退去になったとします。
10年間で賃料相場が7万円にまで下がっていると、次の入居者の募集時には3万円もの賃料下落を考慮する必要があります。つまり、現在の賃料水準に引き直して検討する必要があるということです。賃料収入の下落は物件価格の下落を意味します。下記図表を見ていただけば分かる通り、20%賃料が下がるということは20%物件価格が下がることを意味します。そのため、賃料が下がることに対しては、慎重に捉えなければいけません。
また、法人契約で複数戸を長期間借り上げされているような物件も、借り上げが続く限りは優良物件ですが、一斉解約や家賃の引き下げを要求されたりした場合は、収益に対する打撃が大きくなります。物件価格も大きく変わってしまうことになります。
[図表]レントロールの見直し