前回は、賃貸併用住宅における「繰り上げ返済」のメリットを紹介しました。今回は、賃貸併用住宅における団体信用生命保険に加入するメリットを見ていきます。

住宅ローンとセットの「団体信用生命保険」

賃貸併用住宅なら持ち出しゼロでマイホームを持つことができ、家計に余裕がある分住宅ローンの返済を早めに終えることができることは理解できたけれど、万が一、自分の身に何かあったときが心配だ――。そんな声も聞こえてきそうです。

 

確かに、一家の大黒柱を失っても、お住まいは「働楽(はたらく)マイホーム」ですから、住まいが稼いでくれはします。ただ住宅ローンを背負っているので、せっかく稼いでもその分はローンの返済に持っていかれてしまいます。残されるご家族の側としては、それでは不安に違いありません。

 

その不安を取り払ってくれるのが、全ての住宅で適用できる「団体信用生命保険」という住宅ローンとセットの仕組みです。これは文字通り生命保険の一種で、住宅ローンを借りる人が加入し、ローン返済の中で必要な保険料を支払います。生命保険に加入しているという認識はないかもしれませんが、ローンの返済義務を負う加入者に万が一のことがあった場合は、保険金でそのローンが完済されます。したがって残されたご家族は、ローンの返済という負担のない形でマイホームを相続することができるのです。

万一の場合はローン返済終了、マイホームが稼ぎ手に

この「団体信用生命保険」の仕組みは、賃貸併用住宅の購入に用いることが可能な住宅ローンにも組み合わせられています。ローンの返済義務を負う一家の大黒柱に万が一のことがあった場合、通常のマイホームと同じようにローンは完済されますから、その時点でローンの返済は終了です。賃貸併用住宅からの家賃収入はローンの返済に回ることはなく、残されたご家族の手元に渡るわけです。

 

実はこれも賃貸併用住宅の良さ、第三のメリットです。通常のマイホーム、ここではあえて「働かないマイホーム」と呼びましょう。その場合には、「団体信用生命保険」によって住宅ローンが完済されるだけ。そこから、残されたご家族がどう生計を立てていくか、問題は残ります。しかし「働楽(はたらく)マイホーム」は、違います。ローンが完済されても稼ぎ続けてくれるので、残されたご家族がどう生計を立てていくか、大きな問題になることはありません。家計の頼もしい担い手として役割を果たし続けてくれるわけです。

本連載は、2017年8月25日刊行の書籍『絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム

絶対おトク!賃貸併用で実現する0円マイホーム

金子 征司

幻冬舎メディアコンサルティング

賃貸併用住宅は、マイホームの一部を賃貸用の部屋にして、家主が自宅として住みながらも家賃収入を得られる「働くマイホーム」です。しっかりと賃貸管理を行って家賃を確保できれば、住宅ローンの返済を毎月ゼロ円に抑えること…

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