今回は、トラブルを円滑に解決する、上司の「適切な対応」とは何かを見ていきます。※本連載は、未然防止研究所代表、ニュートラルベースNLP®認定マスタープラクティショナーとして、各種トラブルの未然防止の普及に取り組む林原昭氏の著書、『なぜあなたはいつもトラブル処理に追われるのか』(合同フォレスト)より一部を抜粋し、社内におけるトラブルを未然に防ぐ「現場目線」の3ステップの対策を紹介します。

解決の先頭に立つことで、担当者に心の余裕を持たせる

トラブルが発生したときが、OJT(On the Job Training:実務訓練)の実践の場です。上司は担当者からトラブルの報告を受けた後、担当者任せにしないで、率先垂範してその解決の先頭に立っていただきたいと思います。

 

本連載では、ユニフォームのレンタル会社の例を紹介しました。もし上司が担当者にトラブルの解決をすべて任せていたら、間違った対策となっていたでしょう。

 

さらには、担当者の立場に立ってみれば、上司が一緒にトラブルを解決してくれることは、非常に心強いものです。実務的には、トラブル解決を実地に学べるわけで、モチベーションの向上にもつながります。

部下のミスも「自分のミス」と捉えることが重要

ところで、課長が部長に対して、「このたびは、部下のミスで顧客クレームを発生させて申し訳ありません。部下にはきつく注意しましたので、二度とこのようなクレームは起こらないと思います」と報告したらどうでしょうか。

 

次の2つの問題が起こる可能性があります。

 

①この報告を部下が聞いたら、課長にも責任があるのに、すべて自分に責任を転嫁されたと思い、モチベーションが下がる。

 

②部長から見ても、部下の教育は課長の責任なのに、それを果たしていないということで、課長の評価も下がる。

 

さらには、社内だけならまだしも、これが顧客に対しての謝罪の言葉だったとしたら、この課長は、顧客先への出入り禁止になるかもしれません。部下のミスも自分のミスと捉えて、上司自ら解決に当たってほしいと思います。

なぜあなたはいつもトラブル処理に追われるのか

なぜあなたはいつもトラブル処理に追われるのか

林原 昭

合同フォレスト

トラブルの起こらない職場には勘違い・思い込み・失念を未然に防ぐ仕組みがあった! リスクマネジメントのプロによる、現場目線の3ステップ対策を紹介します。 「ミスをなくすのはむずかしい、でもトラブルは避けたい」 「…

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