解決の先頭に立つことで、担当者に心の余裕を持たせる
トラブルが発生したときが、OJT(On the Job Training:実務訓練)の実践の場です。上司は担当者からトラブルの報告を受けた後、担当者任せにしないで、率先垂範してその解決の先頭に立っていただきたいと思います。
本連載では、ユニフォームのレンタル会社の例を紹介しました。もし上司が担当者にトラブルの解決をすべて任せていたら、間違った対策となっていたでしょう。
さらには、担当者の立場に立ってみれば、上司が一緒にトラブルを解決してくれることは、非常に心強いものです。実務的には、トラブル解決を実地に学べるわけで、モチベーションの向上にもつながります。
部下のミスも「自分のミス」と捉えることが重要
ところで、課長が部長に対して、「このたびは、部下のミスで顧客クレームを発生させて申し訳ありません。部下にはきつく注意しましたので、二度とこのようなクレームは起こらないと思います」と報告したらどうでしょうか。
次の2つの問題が起こる可能性があります。
①この報告を部下が聞いたら、課長にも責任があるのに、すべて自分に責任を転嫁されたと思い、モチベーションが下がる。
②部長から見ても、部下の教育は課長の責任なのに、それを果たしていないということで、課長の評価も下がる。
さらには、社内だけならまだしも、これが顧客に対しての謝罪の言葉だったとしたら、この課長は、顧客先への出入り禁止になるかもしれません。部下のミスも自分のミスと捉えて、上司自ら解決に当たってほしいと思います。