前回に引き続き、シニア人材の魅力について、より具体的に見ていきましょう。今回は、「即戦力となりうる人材が多い」という利点について説明します。

既に「ビジネスのルール」を身につけているシニア人材

シニア人材の場合、基本的に何十年もサラリーマン生活をしてきた人ばかりですから、基本的なビジネスのルールやマナーは身についています。

 

大企業の新入社員なら、たいていは入社後1〜2カ月以上は研修の期間に当てられます。その後も、先輩社員に同行してOJTで教育を受けたり、長いローテーションを組んでさまざまな部署を回ったりして、数カ月〜2年くらい経ってようやく独り立ちとなります。研修の期間中、企業は将来を担う人材を育てるための投資として給与を支払うわけです。

 

その点、シニア人材は出社した当日からすぐに仕事に取りかかってもらえるというのがメリットです。場合によっては、経営者がシニア人材から教えられることもあるくらいです。

 

あいさつや電話の取り方から教えなければならない新入社員と違って、特別な教育は必要ないのが一般的ですから、即戦力として現場に投入することができます。そのため、研修費用も研修期間の給与というコストもかかりません。

「マネジメント力」に優れた人材が多い点も魅力

さらに、中小企業にとっては採用が難しかったハイスペックな人材を採用できるチャンスでもあります。

 

また、マネジメント力に優れた人材が多いのもシニア世代の特長です。マネジメント力のある人材を育てるには、時間がかかるのは言うまでもありません。

本連載は、2017年5月29日刊行の書籍『シニア人材という希望』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

シニア人材という希望

シニア人材という希望

中原 千明

幻冬舎メディアコンサルティング

超高齢社会の到来とともに、日本人の働き方は大きく変わる――。 都市銀行でマネジメント職を歴任。定年後に起業し、多数のシニア人材を雇用する経営者が語る“新しい労働の在り方"とは? 2013年4月1日、高年齢者雇用安定…

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