シニアには「過去の失敗」を活かしている人が多い
私がこれまで採用してきたシニア人材は、それぞれに多くの成功、失敗を経験しています。
私はそうした体験をすべて聞いたわけではありませんが、一緒に仕事をするなかで「前にこういう失敗があったから」という話を聞くと、その一端を垣間見ることができます。よく「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と言われますが、その真価が発揮されるのはシニア世代になってからなのかもしれません。
シニア世代になると、成功ばかりしてきた人というのは少なく、失敗を経験している人のほうが圧倒的です。それを乗り越えてきた人たちですから、やはり懐が深いというか、過去に失敗したこともポジティブに受け止めて今に活かしている人が多いのです。
失敗の経験は人を大きく成長させます。アメリカでは、失敗経験が多い起業家に投資が集まると聞きます。それほど失敗の経験というのは貴重なのです。
シニア人材を採用すれば、ほかの会社がすでに成長させてくれた人材に働いてもらえるわけですから、本来なら高給で優遇しても損はないくらいです。
「経験」はシニア人材の何物にも代えがたい財産
当社では、基本的に一人一人が自分の担当部門の仕事をするのですが、情報の共有もしているので「私、前にちょっと失敗したので、こういうことに気をつけたほうがいいですよ」など、お互いにアドバイスをしながら進めているケースが散見されます。若い社員だと経験の量が少ないのと、やはりプライドもありますから、自分の失敗をそこまでポジティブにとらえられないでしょう。
もちろん、成功した経験を活かして今の仕事に反映させていることも数多くあります。まさに経験はシニア人材の何物にも代えがたい財産なのです。
年の功、老成というとネガティブに受け取られがちですが、ポジティブに解釈すればシニアの強みの一つといえるのです。