前回に引き続き、シニア人材の魅力について、より具体的に見ていきましょう。今回は、成功体験、失敗体験の多さからくる利点について説明します。

シニアには「過去の失敗」を活かしている人が多い

私がこれまで採用してきたシニア人材は、それぞれに多くの成功、失敗を経験しています。

 

私はそうした体験をすべて聞いたわけではありませんが、一緒に仕事をするなかで「前にこういう失敗があったから」という話を聞くと、その一端を垣間見ることができます。よく「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と言われますが、その真価が発揮されるのはシニア世代になってからなのかもしれません。

 

シニア世代になると、成功ばかりしてきた人というのは少なく、失敗を経験している人のほうが圧倒的です。それを乗り越えてきた人たちですから、やはり懐が深いというか、過去に失敗したこともポジティブに受け止めて今に活かしている人が多いのです。

 

失敗の経験は人を大きく成長させます。アメリカでは、失敗経験が多い起業家に投資が集まると聞きます。それほど失敗の経験というのは貴重なのです。

 

シニア人材を採用すれば、ほかの会社がすでに成長させてくれた人材に働いてもらえるわけですから、本来なら高給で優遇しても損はないくらいです。

「経験」はシニア人材の何物にも代えがたい財産

当社では、基本的に一人一人が自分の担当部門の仕事をするのですが、情報の共有もしているので「私、前にちょっと失敗したので、こういうことに気をつけたほうがいいですよ」など、お互いにアドバイスをしながら進めているケースが散見されます。若い社員だと経験の量が少ないのと、やはりプライドもありますから、自分の失敗をそこまでポジティブにとらえられないでしょう。

 

もちろん、成功した経験を活かして今の仕事に反映させていることも数多くあります。まさに経験はシニア人材の何物にも代えがたい財産なのです。

 

年の功、老成というとネガティブに受け取られがちですが、ポジティブに解釈すればシニアの強みの一つといえるのです。

本連載は、2017年5月29日刊行の書籍『シニア人材という希望』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

シニア人材という希望

シニア人材という希望

中原 千明

幻冬舎メディアコンサルティング

超高齢社会の到来とともに、日本人の働き方は大きく変わる――。 都市銀行でマネジメント職を歴任。定年後に起業し、多数のシニア人材を雇用する経営者が語る“新しい労働の在り方"とは? 2013年4月1日、高年齢者雇用安定…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録