平成27年の国勢調査で、生涯未婚率は過去最高に
50歳まで一度も結婚をしたことがない人の割合を示す「生涯未婚率」について、平成27年の国勢調査の結果、男性で23.37%、女性で14.06% にのぼったことがわかりました(図表1参照)。前回の平成22年の結果と比べて急上昇し過去最高を更新、男性のおよそ4人に1人、女性のおよそ7人に1人が生涯未婚で、「結婚離れ」は急速に進んでいるのが現状です。
晩婚化・未婚化は少子化社会において大きな問題ですが、収益性を確保したいワンルームマンションのオーナーにとっては大きなプラス要因と言えます。ワーキングプアと呼ばれる低賃金で働いている若者も多いことから結婚に踏み切れないといった現状や、女性の社会進出が進むにつれ男性に依存しなくても人生を送れることから、晩婚化は進み、今や日本が抱える大きな問題です。
[図表1]生涯未婚率の推移
今後も晩婚化・未婚化の流れは加速していくことが予想され、平成42年には男性の約30%・女性で約25%が生涯未婚という予測結果もあります。図表2のように平均初婚年齢も右肩上がりで、結婚をするまでの期間はほとんどの人が一人暮らしのため、ワンルームマンションに住む期間が長期化するのも自然な流れと言えるでしょう。
[図表2]平均初婚年齢の推移
「長期化する1人暮らし」が空室リスク減の要因に!?
晩婚化や未婚化は少子高齢化にとって大問題ですが、ワンルームマンションのオーナーにとってはメリットがあります。なぜなら、一人暮らしの期間が長いということは、1人当たりの入居期間が長くなる傾向があり、オーナーの空室リスクが大幅に減るからです。この場合、卒業後就職し新たな部屋を求める大学生より、転勤がない限りその部屋に住み続ける社会人に対して部屋を提供できる都心の方が、より多くの恩恵を受けることができます。
このように単独世帯が都心に集まるいくつかの要因を挙げましたが「地方から都心」「海外から東京」という人の流れは、留まることを知りません。東京への一極集中的な人口流入は、要因が1つではないことを理解していただければと思います。複数の転入要因があるからこそ、東京への人口流入は加速していくのです。
賃貸収益確保のカギは「利便性の高い」地域選び
アパートやマンションといった貸家の収益を支える入居需要は、大部分が立地に左右されます。アパートとマンションの一番の違いは、土地の用途地域です。
土地にはそれぞれ都市計画に基づき用途地域が決められており、用途地域ごとに建てられる建物も制限されています。一般的にアパートは、住居系の地域に建てることが多い建物です。一方で、マンションは商業地域や工業地域といった、住居系以外の土地に建てられることが多くなります。商業地域は、周辺に店舗や飲食店も多く利便性が高い施設が多いのが特徴です。
非住居系地域率(区の面積から住居系の地域を引いた面積/区の面積)が高い区のトップ3(平成27年4月1日現在)は、
台東区(75.79%)
中央区(64.8%)
千代田区(61.08%)
となっており、都心に行けば行くほど店舗やオフィスなどの用途に使える土地が増えるため、利便性が高くなるのは当然かもしれません。
そういった利便性の高い地域だからこそ、人は集まってきます。収益をうまく確保するためには、利便性が高く賃貸に出しても採算がとれる地域で物件を購入することです。
人を引き付ける街並みは、再開発を繰り返すので利便性の高さが維持され続けます。そういった立地を選ぶことが成功の第一歩であると言えるでしょう。