「高値づかみをした」と思ったら早めに撤退を
損切りの徹底は株で儲けるための絶対条件ですが、どうしても損切りができない人もいるでしょう。そこで私はルールを決めて機械的に損切りすることをお勧めしています。
「チャート分析による売買も機械的にやったほうが勝てる」といえますが、損切り、あるいは利益確定も同じです。トレードにあれこれ自分の感情を差し挟むからこそ、多くの人は失敗してしまいます。「機械的に」というのは、成功する上でのキーワードかもしれません。
利益確定や損切りのルールとは、買値からいくら上がったら利益確定し、いくら下がったら損切りするというのを、明確に決めておくことです。私が提案するルールは、次のとおりです。
・利益確定……買値から8%値上がりしたら売る
・損切り……買ってから終値で8%値下がりしたら売る
まず利益確定についてですが、買値から8%で利益確定といっても、暴騰の途中でつかむなどして、買値が高くなっていない場合に限ります。チャートの示す買いポイントからかなり上放れたところで買ってしまったら、それは高値づかみです。高値づかみをした場合、その後さらに値上がりしたとしても、基本的に上げ幅はそれほど大きくならないと考えられます。
暴騰から反転すると、勢いよく押す場合が多いため、買った途端に反落することにもなりかねません。よって、高値づかみをしてしまったと思ったら、このルールのとおりではなく、2%上昇だろうと3%上昇だろうと、チャート上の買い場と思われる価格から、10%上昇した価格帯で売却するなど、早めの撤退を心がけてください。
ルールどおりに行くと、例えば1000円で買った株が1080円まで値上がりしたら、利益確定です。日中働いている人は、約定したら昼間にチェックして、「1000円で買った。では『1000×1・08』で、1080円で売り注文を出しておこう」といった調子で注文を入れてみましょう。単元株が100株だったとしたら、10万円の投資で8000円の利益を出せます。逆に、1000円から8%値下がりし、終値で920円まで値下がりしたら、損切りです。この場合、損失は8000円です。
損失はともかく、利益のほうはもう少し伸ばしたくなってしまうかもしれませんが、株式投資に慣れるまではこのルールを忠実に守ってほしいと思います。ものすごく株価の上昇に勢いがあって、誰が見ても好調な場合などは、上げ幅10%あたりで利益確定してもよいですが、欲張るにしてもその程度にとどめてください。
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相場に慣れてきたら「大勝負」する手もあり
以前、売りどきのタイミングを見極めて、利益を伸ばしていく方法もお伝えしました。8〜10%では売却せず、株価が前日の安値を下回るまでは、保有し続けるというやり方です。
ただしこれは上級者向けです。株価の勢いがダイナミックなときは、値動きが速いためにうまく売り場をつかめないようなこともあるので、最初は流動的にタイミングをはかるより、機械的にやったほうがよいでしょう。
相場に慣れて、株価を見ながら値動きをある程度「見切る」ことができるようになったら、流動的に売り場を決めてもよいと思います。
実際、株で大儲けしている人は、上がる銘柄の的中率は低くても、いざ当たったら最大限に利益を伸ばすことに長けている、つまり利益確定のタイミングの取り方が上手で、1度に大きく儲けるのです。できれば早めに相場に慣れ、上級のテクニックを使いこなしていただきたいと思います。ここぞという必勝パターンのチャートが現れたときはドカンと買い、ぐんぐん利益を伸ばしてから売ってください。それが儲けている人が実践している投資法です。
ちなみに、うまくタイミングをはかりながら利益を伸ばすのが難しいのと同様、ここぞというときにドカンと買う際にも、恐怖心が伴います。初心者マークの投資家なら、何度かに分けて投資することをお勧めしますが、上級者なら「これは行ける!」と思ったら大勝負すべきでしょう。怖気づいていると、いつまで経っても大きな利益は得られません。
ただし、相場の熱気に当てられて、チャート分析から離れたところで売買判断を下すのはNGです。暴騰している銘柄を見て、チャート分析ではすでに上がりすぎていることがわかっているのに、「もっと上がるんじゃないか」と雰囲気で取引してしまう。その結果、暴落して手痛い目にあうという失敗は、多くの投資家が繰り返してきたことです。
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