一発逆転狙いの「信用取引」などは避けるべき
損切りも、買った値段よりも8%下がったところで実行するのがベターです。ただ、前回述べたように、頭ではわかっていても、なかなかできないのが損切りです。最初はルールを決めてやっても、精神的にこたえるかもしれません。
また、相場環境によっては、損切りする場面が増えてしまい、なかなか利益が伸びず、取引回数が増えるたびに損してしまうときもあります。そうなると、手っ取り早く損失を回復しようとして、信用取引に手を出す人をよく見かけます。うまく回復できればよいですが、信用取引はハイリスクハイリターンなので、余計に傷が広がっていくかもしれません。
達人レベルの上手な投資家が信用取引をやるというなら、何もいうつもりはありませんが、追い込まれている投資家が一発逆転を狙って信用取引に手を出すのは、絶対にやめるべきです。
チャート分析の「当て」が外れたときの深追いは禁物
また、負けが込んでくると「本当に損切りしたほうがいいのだろうか。持っていたほうがまだマシなんじゃないか?」などと考えたくもなります。
しかし、損切りしないで持っていたほうがよい、というケースはほとんどありません。投資資金に余裕があり、なおかつそれが長期的に大きく成長しそうなパワーを秘めている企業の銘柄だというなら話は別ですが、ファンダメンタルズではなくチャート分析で銘柄を決めたのであれば、当てが外れたときに深追いするのは禁物です。
ただ、新興市場の銘柄や仕手株など、値動きの激しいものに関しては8%くらい下がってもすぐに盛り返すことがあります。そこで、ザラ場では8%下がっても、終値で8%下がっていなければ、とりあえずはOKとするという、二段構えのルールにしておきましょう。
というのも、株というのは9時に市場が開いてから、前場の間に高値をつけることがよくあります。その後、後場の1時20分くらいまでは上がったり下がったりを繰り返しがちですが、値動きがよく、崩れそうにない銘柄というのは終値間際に上がってくる傾向が強く見られます。そのため、値下がりしやすい後場の前半などで8%割れになっても、終値でカバーされていればOKなのです。もし、終値でも8%を割り込んでしまったら、翌日の寄り付きなどで損切りをしましょう。