泥棒、居座り…放置すれば店の安全性を損なう
コインランドリーは一般市民の生活に密着した施設なので、基本的には怪しい人は近づいてきません。犯罪に対して特に敏感になる必要はないでしょう。
しかし、本当にたまにですが以下のようなケースがあり得ます。
●泥棒
コインランドリーでの泥棒と聞くと、下着泥棒を思い浮かべるかもしれません。ところがなかには男女どちらの衣類でもすべて持ち去られてしまう例もあります。
●居座り
当社のコインランドリーは冷暖房を完備しています。なにより雨風をしのげる。ゆえに洗濯をしないで長時間居座る人がいます。また、飲んだ帰りに一休みということで入ってしまいそのまま寝てしまう人もいます。
●たまり場にする
これも居座りの一種です。ただし、こちらは店内ではなく駐車場をたまり場にしてしまうケースを指します。以前、不良少年・少女がコンビニをたまり場にしてしまう問題が多発しました。
コインランドリーの立地条件は、コンビニと非常によく似ています。交通の便の良い道路沿いで住宅地に近い。それゆえ、少年・少女がたまり場にしてしまうのです。
しかしながら、コンビニのように食べ物や飲み物を買えるわけではないので、たまり場になってしまうのは非常にレアケースです。これらは土地柄や季節要因(忘年会や夏休みなど)に左右されることも多いようです。
このような事態になってしまうと、一般のお客様は安心して入ってこられません。少しずつ足が遠のくでしょう。したがって、事態が起こる前に予防しなければなりません。
犯罪を防ぐために「24時間営業」はしない
予防するには、まず、たまり場になりづらい雰囲気づくりが重要です。そのために内外問わず店を明るくします。そして店内の窓を大きくして死角をなくし、外からよく見えるようにします。これで泥棒や長時間の居座りをしにくくします。
私たちが手掛けているコインランドリーでは、24時間営業をしていません。基本的に営業時間は朝の5時から深夜26時までです。住宅地にあるということで深夜24時までの店舗もあります。夜遅く営業すればするほど犯罪の可能性が高まり、居座りどころか宿泊してしまうこともあり得るからです。
ただし、ここまでしても犯罪を100%防ぐことはできません。そこで私たちのお店では、最低4台の防犯カメラを設置しています。
防犯カメラの役割は、犯罪の証拠を残すということだけではありません。店内の目立つ場所に「防犯カメラ録画中」というPOPを貼っておけば抑止力になります。また、最近の防犯カメラは周囲の様子を撮影するだけでなく、180度動くうえにパソコンを通じて声を出すこともできます。
もし、不審者の来店が続くようなら、警備会社と契約したり警察へ巡回をお願いするといった対処法もあります。
また、学生が駐車場をたまり場にするケースでは、防犯カメラで録画した映像に制服が映っていることがあるので、そこから学校を特定して先生に対応をお願いすることもあります。
これらはあくまで事後の対処法です。事後ということはお店が気づいた時点ですでにお客様が不安になっているかもしれません。やはり、できるだけ早く問題に気づくことが最重要です。
そこで、ここでもインストラクターが活躍します。インストラクターは常に常連さんとコミュニケーションを取っています。常連さんのほとんどはお店のご近所に住んでいて、朝から深夜までの様子をインストラクター以上に把握しています。そのため「最近怪しい人がいるよ」といった情報をいち早く伝えてくれるので、より迅速な対応ができるのです。
また、言うまでもないことですが、毎日9時30分から12時までのインストラクターがいる時間帯は、彼女たちがいること自体が最大の防犯対策となっています。
防犯という面では、お客様同士のトラブルを未然に防ぐということも入るでしょう。お客様同士のトラブルでもっとも多いのは「機械の順番を待っていたのに割り込みされた」または「洗濯が終わった洗濯物を勝手に出された」です。
これらは来店がもっとも多い時間帯に起こりがちですが、そこにはインストラクターがいます。それゆえ「そちらでお待ちのお客様。この洗濯機をご利用ください」といった誘導でお客様一人ひとりにさりげなくルールを厳守していただくことが可能になります。これにより、お客様同士のトラブルを未然に防ぐことができるのです。
インストラクターのいない一般的なコインランドリーは、ルールが確立するまでに非常に時間がかかります。その間にお客様同士のトラブルは避けられません。しかし、インストラクターがいることで、短期間にルールの確立が実現します。