前回は、コインランドリー店の「防犯対策」のポイントを紹介しました。今回は、コインランドリー事業の「IT化」がそれほど重要ではない理由を見ていきます。

クレーム対応に追われ、精神的に参るオーナーも…

当社がコインランドリー事業をはじめたときは、インストラクターを雇用していませんでした。また、当時の機械は遠隔操作などに対応していません。そのため、トラブルやクレームは24時間・365日体制で電話受付が基本です。

 

私自身、返金などのために現地に駆けつけたことは数え切れないほどあります。その頃は本当に安心して眠れず、精神的に参ってしまったことを今でも鮮明に覚えています。

 

コインランドリー経営を検討する際、このようなトラブルやクレーム対応が最大のネックと考える人は多いようです。

商売の基本は「人対人」、IT化はオプションに過ぎない

そこで登場したのが機械の遠隔操作などといったIT化です。当社が手掛けてきた店舗でも、機械のIT化はオプションで対応していますが、それほど重視していません。商売の基本はやはり人対人。いくら迅速にできても機械を介したコミュニケーションは誤解が生じがちです。なによりあたたかみがありません。

 

機械のIT化には、それなりの費用がかかります。その費用をかけるならインストラクターにかけたほうがずっと効率がいいのです。

 

そのため、私たちは売り上げの22%(ロイヤリティー含む)で、インストラクターの雇用から集金業務までを含む完全管理システムを構築しています。インストラクターの人件費はもちろん固定ですが、あえて管理費は売り上げに対する割合に設定しました。これは赤字経営の可能性を軽減するためです。

 

たとえば、賃料や水道光熱費、機械のリース代などを差し引いた毎月の損益分岐点が売り上げの30%だったとします。これで管理費が固定で30万円、売り上げが100万円ならばとんとんということになります。

 

ところが80万円に下がったとしたらどうでしょう。24万円が損益分岐点なので6万円の赤字となります。一方で管理費を売り上げの22%としておけば80万円に対して17万6000円なので、6万4000円の黒字を維持することができます。

 

この程度の黒字ではうまみがない、と思う人もいるかもしれませんが、機械のリース期間は7年程度で終了します。本当のうまみはそれからです。その後は今まで支払っていたリース代がそのまま利益になるのです。

 

このように私たちの提供する管理システムは、オーナーをトラブルやクレーム対応から解放し、まったく手放しのコインランドリー経営を実現させるだけでなく、赤字になりにくいようにもなっています。

 

しかも、売り上げが上がれば上がるほど私たちの会社の利益も増えるシステムでもあります。だからインストラクターと本部の担当社員は、現状に満足せず常に努力を続けます。私たちは、いつまでもオーナーとWINーWINの関係を築くビジネスパートナーとなるのです。

 

[図表]経費・管理費の違いによる月間収支の比較表

本連載は、2017年6月19日刊行の書籍『年商1200万円以上稼ぐ! 失敗しないコインランドリー経営』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

年商1200万円以上稼ぐ! 失敗しないコインランドリー経営

年商1200万円以上稼ぐ! 失敗しないコインランドリー経営

岡山 一夫

幻冬舎メディアコンサルティング

近年、土地活用や副業として、コインランドリー経営を始める人が増えています。 しかしその一方で、競争が激しくなったために閉店に追い込まれるケースも少なくありません。 これまで105店舗ものコインランドリーを手掛け…

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