前回に引き続き、「企業の倒産」に関する基礎知識を、Q&A方式で学んでいきましょう。今回は、「期限の利益の喪失」などがテーマです。※本連載は、東京都中小企業振興公社事業継承・再生支援事業登録専門家だった経験を持ち、企業再生支援を中心に活動する坂田薫氏の著書、『社長さん! あなたの資産と会社を守る最後の一手、教えます!』(こう書房)より一部を抜粋し、「倒産回避」「資産防衛」「事業再生」を実現する方法を紹介します。

融資金を直ちに返済することに・・・「期限の利益の喪失」

Q:「期限の利益の喪失」って何ですか?

 

A:これは難しいかな? 期限の利益って「期限が到来するまで債務者が受ける利益」なんて書いてある本もあるけれど、これじゃあ、わからないよね?

 

「期限の利益の喪失」(以下の図表1参照)は、銀行から借入れしているなら、銀行取引約定書などに署名しているのだけれど、そこにも書いてあるし、消費者ローンを借りたときには、その約定書などにも書いてあるんだけれど、あまり読まれないのです。

 

要は、約束(約定)どおりに返済していればいいのだけれど、約束が守れなかったり、債務者が行方不明になったり、担保の不動産などに差押えがかかったり、破産などの法的整理をした場合、いままでの約束はチャラにして融資金全額をただちに一括返済してください、という大変に厳しい約束が「期限の利益の喪失」なんです。

 

[図表]銀行取引約定書「期限の利益の喪失」条項の一例

「破産」とは、そもそもどのような状態を指すのか?

Q:「破産」って何ですか?

 

A:これはわかるでしょう。よく聞く言葉だしね。債務者が約束どおりに返済できなくなって、しかも、所有財産をすべて売っても返済できなくなった状態、あるいは、そのようなときに裁判所が債務者の財産をお金に変えて、債権者に公平に分配するための手続きです。

社長さん! あなたの資産と会社を守る最後の一手、教えます!

社長さん! あなたの資産と会社を守る最後の一手、教えます!

坂田 薫

こう書房

倒産すれば連帯保証で個人資産はおろか自宅も売られ、収入もなくなるのがフツウ。中小企業には厳しすぎるこの時代に、倒産しても合法的に自宅を守り収入を確保するにはどうすればいいのか…。本書では、「倒産回避」「資産防衛…

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