前回は、会社の財務状況を判断するための「要償還債務・債務償還年数」の求め方について取り上げました。今回は、会社の後継者に求められる「決算書を読み解く力」について見ていきます。

決算書は、自社の経営状況を映し出す最も重要な資料

事業承継のお手伝いをしていると、後継者が、「決算書はどうやって見ればよいのだろう。利益がいくらあるのか程度のことしかわからないのだが・・・」と口にするのをよく耳にします。

 

決算書は自社の経営状況を数字により映し出す最も重要な資料であり、財務戦略を考えていくうえでは、それを読み解くことが不可欠です。したがって、細かな点はともかく、全体を把握するために必要となる最低限の知識や読み解きのポイントは押さえておかなければなりません。

決算書は「3種類」で構成される

まず、基本的なことから確認しておくと、1年間の収入・支出を計算し、利益や損失の額を明らかにする作業を「決算」といい、決算書はその結果をまとめた文書です。

 

決算書は、一般的に「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3種類で構成されています。

 

「貸借対照表」は、期末の時点における自社の財産の状況を明らかにするものであり、B/S(Balance sheet:バランスシート)と略称されます。

 

「損益計算書」は、1年間の利益や損失を示すものです。P/L(Profitand Loss Statement)と略称されています。

 

キャッシュフロー計算書は、中小企業では法定ではないため作成していないことも多いですが、1年間のお金の流れ(キャッシュフロー)、つまりは資金の発生原因とその使途を示したものです。

 

次回からは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきましょう。

本連載は、2016年10月21日刊行の書籍『「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

大磯 毅/中山 昌則

幻冬舎メディアコンサルティング

戦後70年を迎え、多くの中小企業に降りかかっているのが「事業承継」の問題です。 しかし、現社長のなかには景気の低迷、適当な人材の不在などの理由から廃業を考える人が少なくありません。また、社長の息子や親族などの後継…

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