決算書は、自社の経営状況を映し出す最も重要な資料
事業承継のお手伝いをしていると、後継者が、「決算書はどうやって見ればよいのだろう。利益がいくらあるのか程度のことしかわからないのだが・・・」と口にするのをよく耳にします。
決算書は自社の経営状況を数字により映し出す最も重要な資料であり、財務戦略を考えていくうえでは、それを読み解くことが不可欠です。したがって、細かな点はともかく、全体を把握するために必要となる最低限の知識や読み解きのポイントは押さえておかなければなりません。
決算書は「3種類」で構成される
まず、基本的なことから確認しておくと、1年間の収入・支出を計算し、利益や損失の額を明らかにする作業を「決算」といい、決算書はその結果をまとめた文書です。
決算書は、一般的に「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3種類で構成されています。
「貸借対照表」は、期末の時点における自社の財産の状況を明らかにするものであり、B/S(Balance sheet:バランスシート)と略称されます。
「損益計算書」は、1年間の利益や損失を示すものです。P/L(Profitand Loss Statement)と略称されています。
キャッシュフロー計算書は、中小企業では法定ではないため作成していないことも多いですが、1年間のお金の流れ(キャッシュフロー)、つまりは資金の発生原因とその使途を示したものです。
次回からは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきましょう。