前回は、銀行は融資の際に企業のどこを見ているのかについて説明をしました。今回は、企業のリファイナンスを可能にする「財務健全化」のプロセスを見ていきます。

リスケ状態のままでは新たな資金調達が難しく…

中小企業の中には財務状況が厳しく債務を予定通り返済できず、やむをえず返済の繰り延べ、すなわちリスケジュール(リスケ)を繰り返している企業は少なくないはずです。

 

しかし、リスケ状態のままだと新たな資金調達のハードルが高くなり、設備投資等に十分なお金をかけることができなくなります。それでは競争力が失われ、ジリ貧に陥ることが避けられません。万が一、リーマンショックのような不測の事態に見舞われたときには、財務が一気に悪化して経営破綻を余儀なくされるおそれもあるでしょう。

ムダなコストや不採算な取引等を見直す

そのような事態を避けるためには、リスケの状態を脱却し、借入金を正常化して新たな借入が可能となるよう会社の立て直しが必要になります。具体的には、ムダなコストや不採算な取引等を見直すなどして財務を健全化させ、本業の収益力を回復できれば、リファイナンスも可能となるはずです。

 

また、リファイナンスの審査にパスするためには、自社の中長期戦略を示す事業計画の提出も必要です。事業計画は銀行に納得してもらわないといけないものなので、要所を押さえた内容となっていなければなりません。そのためには特別な作成ノウハウが必要となり、社内のスタッフだけでまとめるのは難しいかもしれませんので、コンサルタントなど専門家の力を借りることも検討してみるとよいでしょう。

本連載は、2016年10月21日刊行の書籍『「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

大磯 毅/中山 昌則

幻冬舎メディアコンサルティング

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