角部屋が多いアパートは人気が高く、収益も安定
家賃収入を左右する要素のひとつとして、角部屋は重要です。
角部屋は入居者に好まれます。日当たりや風通しが良い、隣接する部屋がひとつなので騒音トラブルが少ない、などなど、メリットの多さが入居者にとって高ポイントのようです。物件によっては間取りが少し広い、といったものもあるでしょう。その使い勝手の良さから、入居者に退去されにくい部屋で、安定して家賃収入を得られる点が、オーナーにとっては魅力となっています。
もちろん人気の角部屋ですから、家賃も高めに設定できます。どのくらいかというと、地域にもよりますが、両隣が部屋の中住戸よりも1000円が相場だと言えます。
角部屋の数が多いほど人気の高いアパートになり、オーナーへ入ってくる収入も高いものになります。
4部屋 × 2階建てアパートと3部屋 × 3階建てアパートの角部屋数を比べると、言うまでもなく、3階建てのほうが角部屋は多いです。
この点からも、3階建てアパートの良さが引き立っています。
角部屋のメリットを十分に活かせる3階建てアパート
さて、ひとつ前にお話しした「1階は3000円ほど安くしないと入居がつかない」というポイントも踏まえ、アパート各部屋の家賃設定についてまとめてみましょう。
ちなみに3階建ての場合、3階の部屋は2階よりも2000円程度高く設定できるというのが大体の相場感覚です。
もちろん3000円くらい高くても入居者は入るかもしれませんが、階段を上る労力を考えて敬遠する人もいるので、2000円ぐらいが妥当だと私は考えています。
それでは図表を併せてご覧ください。
3階建ての場合、2階中央の部屋を基準として、その部屋の家賃を6万円に設定すると次のようになります。
2階の角部屋は6万1000円。
1階中央の部屋は5万7000円で、1階角部屋は5万8000円。
3階中央の部屋は6万2000円、3階角部屋は6万3000円。
6万円×9部屋で54万円の想定が、実質54万3000円の収入に落ちつきます。
[図表]アパートの部屋ごとの家賃設定の例
1階の家賃のマイナス分を補ってくれるどころか、プラスにまで持って行ってくれています。2階建ても同じように計算していくと、図表のように8000円のマイナスとなり、1階部屋の多さと角部屋の少なさが収入減につながってしまっています。
角部屋の威力はまさにここになります。家賃収入面でもプラスになり、しかも角部屋という理由だけで入居がつきやすい。
角部屋数の多い3階建ては、2階建てよりも確かな収益をオーナーに与えてくれます。