困ったオーナーが決断する「1階の家賃値下げ」
前回の続きです。
入居者がなかなか決まらないと損失はふくらむ一方。そこで困ったオーナーがどうするかというと、家賃の値下げを決断するわけです。
必然的に、空室となりやすい1階は、2階よりも家賃が低く設定されます。実際にどのくらい下げれば入居がつきやすいかと言うと、3000円が大体の相場で、2000円が限界といったところでしょう。
住む側の立場になってみるとよくわかりますが、確かに「3000円安いなら1階に住んでもいいかな」と妥協できそうな額ではあります。
1000円ほど下げただけでは、「ほかで2階以上の空いてる部屋はないかな」と別の物件を探されてしまう可能性が高のいです。
1階部屋の割合が低い3階建てアパートのメリットとは
空室を減らしたいなら1階部分の家賃を3000円程度減らせばいい。「3000円ぐらいなら」と考える人もいるかもしれません。しかし、投資家の目線で見ると、これは単純な話では済まされません。
3000円下げることがどれほどの収入減になるか。
2階建て8部屋のアパートなら、半分の4部屋を3000円減らすことになります。合計すると月1万2000円となり、年間では14万4000円の収入減です。
もちろん、部屋が埋まらないよりはいいという話ではありますが、全部屋のうちの50%の家賃を下げるのは相当な覚悟がいるでしょう。
対して3階建て9部屋のアパートも3部屋の家賃を3000円減らすことになり、年間で10万8000円の収入減ですが、残りの6部屋の家賃が下がることはない(むしろ3階の部屋は上げることも可能です)ので、2階建てよりも確実な収益が見込めます。
空室になりやすく、しかも家賃を下げなければいけない1階部屋。
この1階部屋の割合が低い3階建てアパートは、サラリーマン大家にとって、効率の良い投資回収を実現する大きな要因となってくれます。