立地が良くても、土地の形状が悪ければ価格は下がる
初期費用をできるだけ抑えたいというサラリーマン大家にとって、土地の価格は物件購入時の重要な要素です。だからといって、無計画に安い土地を買うのは御法度。かなり田舎で都心部へのアクセスが悪かったり、駅から徒歩20分も離れていて利便性が悪かったら入居者には選んでもらえません。
しかし中には、立地的には悪くないのに、販売価格が安い土地があります。駅から近く、都心部へも出やすい。治安も良いし、住みやすい環境の中にある。
それでも売れ残ってしまう土地があるのです。なぜ立地が良いのに安く販売されているのでしょうか。安いのにはちゃんとした理由があります。
売れ残って安くなってしまう理由は土地の形です。
三角形だったり細長かったりといった変わった形の土地は、建築会社に嫌われます。なぜなら、その土地の形に合わせて柔軟な設計をしなければならないからです。
とくに大手のハウスメーカーは規格型の住宅を建てることを得意としているので、こういった土地に手を出しません。模範的な四角い土地を好んで購入します。
木造ならどんな形状の土地にも対応可能
さて、間取りの柔軟性に富んでいるという点で、木造ほど優れたものはありません。
たとえば三角地に合わせて斜めの間取りにする場合、鉄骨造やRC造も対応させることはできますが、オリジナルの加工が必要となってくるなど、余計なコストがかかってしまいます。鉄骨やRCは基本、四角い建造物に適した資材なのです。
対して木はカットするだけのことなので、斜めにすることが大きなコスト増につながるなんてことはありません。
三角形だろうが異常に細長かろうが、木造ならお手の物。土地の形に合わせ、無駄なく、スペースを最大限に使い、土地の大きさを活かしながら、建物を建てることができます。
最大限というのは、いかにして住みやすい部屋を造るかと、住みやすい部屋をどれだけ多く造れるかです。
木造アパートを主体としている私の会社では、ほかの不動産会社が手を出しづらいワケありの安い土地を積極的に購入しています。
オーナーにとっては、安く買えた土地にたくさんの部屋数を確保したアパートを建てられるのですから、これほど収益性の高い投資もなかなか見当たらないはずです。
間取りを自由自在に操れ、どんな変わった土地でも最大限の収益を引き出せる点で、木は最強と言えるでしょう。
[図表]三角地に建つアパートの例