修繕費が不要な新築は、スタート時の資金を抑えられる
前回の続きです。
ここからは「新築」のメリットに絞ってお伝えしましょう。
まず、言うまでもないことですが、新築の対極にあるのが中古です。これはすでに筆者著書『不動産投資は「新築」「木造」「3階建て」アパートで始めなさい! 』の2章で触れましたが、中古物件は使い古された物件なので、早い段階で修繕が必要になってしまいます。
ですので中古物件の経営をスタートさせる際には、事前に修繕費を確保しておかないといけません。
この修繕費は、なるべく少ない自己資金で融資を受け、ローンを返済しながら収入を得ていくスタイルのサラリーマン大家にとっては手痛い出費になってしまいます。
つまり、できるだけスタート時の資金を抑えるのであれば、修繕費のかからない新築に軍配が上がります。
中古のほうが安く、新築が高いのは本当か?
しかし、そうは言っても不動産投資を始めようと考えているサラリーマン大家の多くが、新築への投資に抵抗感を持っているようです。
「新築は高くつくから、ローンの返済がたいへんそうだ」
建築費用が気がかりとなり、すでに建物ができ上がっている安価な中古のほうへと流れてしまうようです。
では本当に、中古のほうが安く、新築のほうが高い支出となってしまうのでしょうか。実際に物件例を出してシミュレーションしてみましょう。
まずは中古物件からです。
ここでは次のような物件を例とします。
販売価格:6075万円
部屋数:9部屋
家賃:4万5000円
年間家賃収入:486万円
利回り:8%
これに自己資金300万円で次のような融資を受けます。
融資額:5775万円
返済期間:30年
金利:4.5%
このような条件で融資を受けた際、月々の返済額はいくらになるかというと・・・。
月の返済額:29万2610円
年間にするとおよそ351万円の返済額です。
年間家賃収入は486万円でしたから、返済額を差し引くと手元に135万円のキャッシュが残ることになります。とはいえ諸経費がいろいろとかかりますから、その分を年間家賃収入の10%とすると、実際のところは86万円ほどと考えておきましょう。
金利4.5%で融資を受け、中古物件のオーナーになれば年収が86万円ほどアップする。あくまで想定的な算出ですが、この数字はたいへん魅力的に映ります。
この話は次回に続きます。