かつては立派な金融商品だった時代が…
「ミドルがいいのはわかったんですけど、それぞれの商品の特徴がわからないです・・・。そもそも預金って、金融商品の1つなんですか?」
「いまは、あまりにも金利が低いから、金融商品と思わないかもね」
「ボクなんか、安全な預け場所という認識しかありません」
「でもかつては金利が5%、6%の時代もあったし、そのときは、預けているだけで資産が増えたんだよ。だから、れっきとした金融商品といえるんだ」
「なんで、こんなに金利が低くなってしまったんでしょうね」
「金利は景気に左右されるんです。インフレの場合は、お金が市場に流れすぎている状態だから、国は政策金利を高くすることで、お金の供給を止めようとする」
「・・・デフレの場合というのは?」
「デフレはその逆です。国が政策金利を低くすることで、少しでも企業や個人が、金融機関から資金を借りやすい状態にする。そして市場にお金の供給を増やそうとする。銀行もその政策金利にならって、預金金利を下げるんだ」
「ということは、いま金利が低いから、日本はずっとデフレということですよね」
マイナス金利導入も影響し、メリットはほとんどなし
「そう。理論上は経済活動が活発になって、企業も潤い、従業員の給料も上がっていくはずなんだけど・・・。いまのところは、そうなっていないね」
「ですよね。そしたらこんなに苦労してないでしょうし・・・」
「いまではマイナス金利も導入されて、ますます金利は下がっているから、貯蓄のメリットはほとんどない」
「・・・」
「それどころか、マイナス金利の影響で、金融機関は窓口やATMでの手数料を少しずつ上げ始めています。なかなか気づかないだろうけど、実際、利用者負担が増しているわけです」