
今回は、国が「NISA(少額投資非課税制度)」を推奨する理由を見ていきます。※本連載は、1億円倶楽部の主幹などを務め、年収1億円超のクライアントを多数持つ富裕層専門のカリスマ・ファイナンシャル・プランナー江上治氏の著書『給料が上がらなくても、お金が確実に増える方法を教えてもらいました。』(あさ出版刊行)の中から一部を抜粋し、お金を上手に運用するコツを会話形式でやさしく解説します。
2018年1月より「積立NISA」の導入を予定
前回の続きです。

「なるほど。たとえば、どんな商品を購入するべきですか?」

「せっかく非課税になるんだから、大きく値を上げそうな商品にチャレンジするのは手かもね。もちろん、自己責任だけど」

「でも投資って、長期運用が大事なんですよね? 5年間という期限は少し短くないですか?」

「いい指摘だね。じつは、それ、金融庁もすごく意識してることなんだ。5年だと株価の変動なども激しいし、安定的な資産形成が難しいからね。そこで、2018年1月に新たに年間投資上限40万円、非課税期間20年の「積立NISA」の導入が予定されている。実際、与党の2017年度税制改正大綱にも明記されたんだけど、具体的な制度設計はこれからだから、最新の情報は常にチェックしておいたほうがいいね」

「年間40万円ならボクみたいな若者もチャレンジできますね。でも、江上さん、気になることがあります」

「ん、急にどうしたのさ?」
「貯蓄」から「投資」への流れに沿った政策

「とてもいい制度に見えるんですが、なんで国はこういう制度をつくったんですか。何か裏があるような気が・・・」

「ああ、なるほど。これは貯蓄から投資へ、という大きな流れに沿った政策といえるだろうね」

「つまり、もっと投資しろよ、ということですか?」

「そう。日本人の金融商品のなかで、預貯金の割合が大きかったのを覚えてる? あれを投資にシフトさせようとしているんだ」

「それはボクらに自分たちでお金を稼ぐ力を磨けっていうことですか?」

「うん。とくに若い世代にマネーリテラシーを身につけさせたいというのが本音だろうね。ま、良い制度であることに間違いはないから、活用すべきだよ」