保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由
診査の結果によって契約条件が変わってくることも生命保険の契約では「健康状態」の告知や医師の診査を受けることで、何らかの悪い数値や所見が見つかると、保険会社は引き受けをしない(=保険契約ができない)ことがあり、これは前述のとおりです。 ただし、やや血糖値が高いから、血圧が高いからといって、すべての保険で一様に引き受けしないというわけではありません。悪い数値や医師の異常所見などが出た場合には、保険会社から、通常よりも不利な契約条件が提示され…
生命保険の加入で気をつけたい「医的診査」の落とし穴
死亡保険金額が多額になるほど診査項目はふえる決算対策における3つの作業の中で、最も注意しなければいけないのは「診査」です。診査を実施し、血圧や尿検査、心電図、過去の病歴などで問題があった場合には、保険会社は引き受けを行わない場合があります。つまり、決算対策を行うことができなくなり、大きな機会損失をこうむる可能性があります。 ここで診査について詳しく確認しておきます。健康状態の申告方法は主に以下の3つです。 ○自身の会社や自治体等で実施した…
保険を活用した決算対策――いつまでに加入すれば間に合う?
保険契約の成立に必要な3つの手続きここまでは、実際の保険商品のイメージで、どの程度の効果が期待できるかを見てきました。今回は実際に決算対策で保険を活用する際のさまざまな注意点について見ていきましょう。 これまで紹介してきた生命保険はあくまで法人の決算対策で利用することを前提にしていますので、決算日までに契約が完了しなければ意味がありません。決算日までに間に合う手続きの流れと仕組みを確認しておきましょう。 まず契約完了に必要な手続きは、以…
「50%損金」が「実質100%損金」に!? 保険の名義変更スキーム
保険契約を「有償譲渡」することで損失を計上これまで、100%損金、50%損金、33%損金を見てきました。今回は、50%損金タイプではあっても、ちょっとしたオペレーションで、100%損金になってしまう仕組みをお伝えします。100%損金は取扱保険会社が限られていることから、やむなく50%損金を契約する法人も多くあります。しかし、ここで少しオペレーションを行うことで、実質100%損金に変身することになります。 そのオペレーションとは「有償による保険の名義変更」で…
逓増定期保険の「33%損金タイプ」の活用例
目先の税額軽減効果は低いが、解約返戻率は高い100%、50%損金タイプで紹介した逓増定期保険ですが、経理処理上のルールにおいて、33%損金タイプに該当する場合に、どのような効果が得られるかを見てみましょう。図表1を見てください。 【図表1 40歳男性が被保険者である逓増保険1/3損金タイプのイメージ】被保険者は40歳男性役員で、毎年1500万円の保険料を法人が支払う契約です。死亡保険金は、1億円から始まり、10年目に3億円近くまで上がります。 保険料の33%しか…
保険料の支払期間を圧縮――「長期平準定期保険」活用の応用
本来は60年間の支払い期間を15年間に圧縮今回は、長期平準定期保険の活用の応用編を紹介します。 長期平準定期保険では、保険期間は100歳のままで、保険料の支払いをもっと早く、55歳で終わらせるという方法がとれます。若年のうちに、保険料をたくさん払っておこうということです。 早めに多くの保険料を支払えるようにすると、50%損金ではなくなるケースがあります。短期間で支払う場合は、決められた比例式の通りに損金算入額を計算しなければいけません。 たとえば4…
終身がん保険の「50%損金タイプ」の活用例
個人契約だけでなく法人契約もある「がん保険」次に、がん保険を紹介します。がん保険と聞けば、一般的にはCMでもよく見られる、個人で加入する保険料が月々数千円のものを想像されるかもしれません。 実際に法人で契約するがん保険も、個人のがん保険とベースは同じです。がんと診断されれば給付金を受け取れ、入院や手術をしたらその都度決められた額を受け取れる仕組みです。 下記の図表では、被保険者を40歳男性役員として、毎年の保険料150万円を法人が支払います…
養老保険の「50%損金タイプ」の活用例
1年目から100%を超える税効果実質返戻率次に、養老保険を活用した50%損金算入タイプを見てみましょう。以下の契約形態をとり、普遍的加入などの諸条件をクリアすると、保険料の50%について損金算入が認められます。 ○契約者……法人○被保険者……役員・従業員○死亡保険金受取人……役員・従業員の遺族○満期保険金受取人……法人 もし契約期間中に被保険者が死亡したら、その遺族に死亡保険金が支払われます。一般的には、法人からの死亡退職金という形で利用されま…
逓増定期保険の「50%損金タイプ」の活用例
被保険者を55歳男性とした「50%損金タイプ」の例100%損金タイプの項でも紹介した逓増定期保険ですが、経理処理上のルールにおいて、50%損金の条件にあてはまると、50%損金タイプとしての利用となります。 事例を見てみましょう。図表1は法人契約で、被保険者が55歳男性役員のケースです。毎年、法人が2500万円の保険料を支払い、万が一、被保険者である55歳男性役員が死亡した場合、死亡保険金が法人に支払われます。逓増定期保険のため、死亡保険金額は最終的に7億円…
50%損金?100%損金? 誤解が多い「保険料の経理処理」ルール
長期運用に適した「50%損金」の商品タイプも前回に引き続き長期平準定期保険の50%損金タイプを紹介します。図表を見てください。 【図表】40歳男性が被保険者である長期平準定期保険50%損金タイプのイメージ これが前回紹介した商品と違うのは、15年目までの解約返戻率が低くなっている点です。しかし20年目や30年目には一気に解約返戻率が高くなるという商品です。20年目、30年目の税効果実質返戻率を見ると、140.8%、156.4%と非常に高くなっています。このような保…
長期平準定期保険の「50%損金タイプ」の活用例
「50%損金」となる保険商品は主に4タイプ今回は、50%損金タイプを見てみましょう。50%損金タイプでは主に以下4タイプの保険商品が利用されます。 ①長期平準定期保険タイプ②逓増定期保険タイプ③養老保険タイプ④終身がん保険タイプ 100%損金タイプであれば、1000万円の保険料を支出すれば、1000万円を損金算入できます。しかし、50%損金タイプであれば、同じ保険料でも損金算入できるのは半分の500万円です。もし1000万円を損金に算入したいのであれば、保険料を2…
医療保険の「100%損金タイプ」の活用例
終身医療保険・終身がん保険の経理処理ルールとは?100%損金タイプの最後は、医療保険を利用したケースです。医療保険については、入院や手術の際に一定の給付金が受け取れる保険として、多くの方が耳にしたことがあるはずです。 掛け捨て型では、解約返戻金は設定されず、保険料は一切戻ってこないのが通常ですが、医療保険の中には、一定期間後に生存していた場合に、「生存還付金」が受け取れるタイプの保険があります。あくまで生存還付金なので、だれもが自由に権利…
逓増定期保険の「100%損金タイプ」の活用例
100%損金となる「逓増定期保険」には年齢制限あり今回は、逓増定期保険を活用した方法です。保険料の100%を損金算入できるという点では先ほどの長期平準定期保険と変わらないのですが、大きな違いは年齢制限があることです。 経理処理ルールは、図表1の通りですが、損金算入率が50%、33%、25%と3つ規定されていて、これにあてはまらないものが、100%損金算入となります。実際ほとんどの商品では、被保険者の年齢が35歳以下で、保険期間が45歳までの逓増定期保険とし…
長期平準定期保険「100%損金タイプ」5商品の返戻率比較
被保険者が高齢でも「解約返戻率が高い」商品は存在本連載の第4回で「若い年齢のほうが一般的に解約返戻率は有利」と述べましたが、1社だけ年齢による差が大きく出ない保険があります。それが、図表1に示した介護保険タイプです。介護保険タイプは、死亡したときではなく、保険会社指定の要介護状態になったときに介護保険金が支払われるというタイプです。 図表1は、60歳男性を被保険者として法人契約した事例です。介護保険金として3億円が設定されていますが、強調した…
有利な保険選びには「複数社の比較検討」が欠かせない理由
被保険者が40歳女性の長期平準定期保険の場合今回は、女性が被保険者として契約した長期平準定期保険100%損金タイプの事例を確認してみます。 図表1は、法人が契約者として毎年1000万円の保険料を支払い、40歳女性が被保険者となった場合です。死亡保険金は7億円ですが、解約返戻率は80%を超えることがありません。税効果実質返戻率も最大が116〜117%台となっています。 【図表1】40歳女性が被保険者である長期平準定期保険100%損金タイプのイメージ しかし、図表2は…
長期平準定期保険を中途解約した場合の出口戦略
設計書の「税効果実質返戻率」をチェック前回の続きです。今回は、契約途中で解約した場合の効果を見ていきます。 仮にこの保険を5年目で解約したとすると、5000万円の累計保険料に対して、84%の4200万円が戻ってきます。これだけでは800万円の損をしているようにも思われます。しかし毎年の保険料1000万円の全額が損金として算入されているので、その間、年338万円が税額軽減されていることを忘れてはいけません。 5年分での税額軽減の総額は1690万円です。これに解約返…
長期平準定期保険――死亡保険金を受け取ったときの出口戦略
黒字か赤字か…保険金が入る期の決算がポイントに前回のつづきです。 ●そもそも黒字が見込まれるなかで、さらに6億円を受け取って決算を迎えた場合●6億円超の赤字が見込まれるなかで、6億円を受け取って決算を迎えた場合 まず1つ目のケースでは、6億円分利益が押し上げられますので、法人税の最終実質税率を33.8%とすると、6億円×33.8%=2億280万円分、法人税等が増加することになります。 そのため、この6億円の受け取り分から法人税等を差し引いた、3億9720万円…
保険料の全額を経費にできる「100%損金タイプの保険」とは?
法人税等の軽減効果が期待できる法人保険の経理処理ルールとしては、100%損金、50%損金、33%損金、25%損金、0%損金(=100%資産計上)という5つのパターンがあります(図表1参照)。 【図表1 法人保険の経理処理ルールの例】 その中でも、100%損金とは、保険料の全額を法人の経費にできるというもので、最も法人税等の軽減効果が期待できるタイプです。そんな100%損金で代表的に利用されるものは、以下の3タイプの保険です。 ①長期平準定期保険タイプ②逓増定…
オーナー社長が「法人保険」を活用するメリットとは?
自社株評価、相続、事業承継の対策に活用できる本連載では、法人保険を活用した決算対策について見ていきましょう。 社長が決算の時に考えることといえば、大きくは以下の4つです。 ●リスクマネジメント●福利厚生●利益調整●相続、事業承継 リスクマネジメントとは、地震等の災害における経済損失に備えて保険を活用するというだけでなく、社長や役員が亡くなった時に備えて、会社の資金を手当てしたり、人材を確保したりするためという意味合いもあります。 具体的…
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