『超スマートエネルギー社会5.0』
柏木 孝夫
出版社名:エネルギーフォーラム
発行年月:2018年8月
地方創生と地域活性化を促す「日本版シュタットベルケ」の実現へ!
2018年7月3日に「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定された。再生可能エネルギーを早期に経済的に自立化させて主力電源化を目指すことが明記された。その背景には、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの技術革新を背景に、エネルギー分野でのトランジション(移行・転換・変革)が本格化してきたことが挙げられる。さらに国内では、この数年間で電力・ガスの小売り全面自由化も本格化し、エネルギーシステムに対する抜本的な見直しを迫られている。
本書では、筆者が永年主張し続けてきた工業国家としてのエネルギーシステムのグランドデザイン、すなわち安定感のある大規模システムと、コージェネレーション(熱電併給)などの分散型システムとが最適な需給構造を構成する絵姿について述べる。その妥当性は、今回の基本計画でも「地産地消」という言葉で明確に示されている。
一方、大規模システムの原子力を重要なベースロード電源として位置づける妥当性、さらにエネルギー自由化による新しいサービスイノベーションビジネスなどによる我が国の成長モデルについても言及した。特に地産地消モデルでは、Society5.0実現のため、需要地に形成されるスマートコミュニティの現状、地方自治体などが主導する「シュタットベルケ」への期待、今後の展望に対しても持論を展開した。
再生可能エネルギーか原子力かという二者択一的思考の中に、我が国の国力・国益を増大させる解はないといっても過言ではない。生活と産業に不可欠なエネルギーに対し、ひとりでも多くの人たちが自らの意思で日本のエネルギーのあるべき姿を考えるための書として、全国民に捧げたい。
掲載記事
[連載]ドイツのエネルギー戦略に続け! 日本政府が仕掛ける「日本版シュタットベルケ」とは?
- 【第1回】 総務省が進める「自治体主導の分散型エネルギー事業」とは? 2018/08/29
- 【第2回】 自治体主導の「シュタットベルケ」が日本にもたらす利益 2018/09/05
- 【第3回】 政府と各自治体が進める「ご当地新電力事業」とは? 2018/09/12
- 【第4回】 地方創生に不可欠…自治体主導のエネルギーインフラ構築の実例 2018/09/19
- 【第5回】 地域創生の要は地銀改革!? 日本のインフラ発展の展望を探る 2018/09/26
- 【第6回】 日本で「ドイツ流・インフラ改革」を実現するための条件とは? 2018/10/03
- 【最終回】 合併、吸収…日本の大手電力会社・都市ガス会社はどう変わる? 2018/10/10
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