著者紹介

野口 悠紀雄

経済学者・一橋大学名誉教授。1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業。64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。専攻はファイナンス理論、日本経済論。

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書籍

終末格差 健康寿命と資産運用の残酷な事実

『終末格差 健康寿命と資産運用の残酷な事実』

野口 悠紀雄

幸せな老後を迎えるために必要なこととは? 「トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』の冒頭に、つぎの有名な言葉がある。「幸せな家庭は同じように幸せだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸だ」。 終末についても、同じことが言える。「幸せな終末は同じように幸せだが、不幸な終末は、それぞれに不幸だ」。 終末の幸不幸を決めるのは、どのような条件だろうか?」(「序章」より一部抜粋) 日本の老後生活を巡る問題は、公的年金の信頼性、退職後の生活資金、介護や医療サービスの確保、医療技術の進展といった多岐にわたるテーマを抱えています。特に、老後の生活資金の大部分は公的年金で賄えるかどうかがポイントであるものの、政府が公表する年金の財政見通しでは、様々な将来見通しを公開しているが、非現実的な仮定を置くことによって、真の問題を覆い隠しています。 老後資金の必要額に関しては、2019年の「老後資金2000万円問題」以来、個人の貯蓄や投資の重要性が注目されていますが、本書では、株式投資や新NISAなどに頼るより、自己投資によるスキルアップがより効果的であると経済学者の野口悠紀雄氏は提言。また、団塊ジュニア世代は就職氷河期を経験し、雇用環境が厳しいなか、65歳時点で3000万円以上の資金が必要になる可能性も出てきています。 さらに、高齢者の医療保険や介護保険負担も増加しており、「所得」ではなく「資産」に基づく負担制度が必要だと野口氏は指摘。 重要なのは、若いうちからできうる限りの努力をして、老後の備えをしておくこと。また、老後のことについて、他人事ではなく、「自分事」として考えることです。 老後の暮らしや資金について考え直してみるのに最適な1冊です。

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