前回は、理想の家造りのための適切な地震対策とその種類を説明しました。今回は、本当の意味での「健康住宅」とは何かについて見ていきます。

「健康住宅」とうたう会社もあるが・・・

さまざまな住宅建材で使われている、接着剤や塗料から揮発する化学物質などで室内の空気が汚染され、体調不良になることをシックハウス症候群と呼びます。中には住宅展示場に足を一歩踏み入れただけで、鼻がツンとし、目がチカチカするなど具合が悪くなってしまう方もいらっしゃいます。

 

無垢材の床・柱、しっくいの壁、化学物質を一切使わない建材を使用することで「健康住宅です」とうたう会社もありますが、果たして本当にそうと言えるのでしょうか。気を遣って自然素材のみで家を造ったとしても、住む人があとからどんな家具を入れるかはわかりません。すべての身の回りのものを自然素材で統一することは不可能です。

気密性の高い外断熱住宅なら、カビも生えにくい

大事なのは後からどんな家具を入れようが、化学物質が揮発する建材を使っていてもシックハウス症候群の症状が出ず、しっかりと24時間換気が機能し、常に新鮮な空気に保たれていることが本当の意味での健康住宅と言えます。

 

また、化学物質だけでなく、ダニやカビ、ほこりなども室内の環境汚染のもとになります。気密性の高い外断熱住宅なら、カビも生えにくい環境が実現できます。

 

弊社で家を建てられた多くの方から「風邪を引かなくなった」という感想をいただきます。何が一番の理由かはわかりませんが、年間を通じて温度変化が少なく、空気がきれいに保たれているからだと思います。実際、私も以前は毎年のように仕事が休みになる年末年始には体調を崩していましたが、外断熱の家に住むようになってから、風邪を引かなくなりました。お客様の中には鼻炎などのアレルギー症状が治ったという方も多くいらっしゃいます。室内の環境は、健康に大きな影響を及ぼしているのです。家を建てる際は、ぜひご自身やご家族の健康のことを第一に考えてください。

本連載は、2017年2月27日刊行の書籍『改訂版 いい家は注文住宅で建てる』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

齋藤 正臣

幻冬舎メディアコンサルティング

人生で一番大きな買い物、「マイホーム」。理想のイメージばかりが先行して、見当違いな設計に後悔したり、不本意な金額を払ったりするハメに陥らないために、まずは住宅オーダーの基本を学びましょう。「よい見積り、悪い見積…

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