今回は、補助金の審査項目としてよくある、「事業の継続性」とは具体的にどういうことなのかを見ていきます。※本連載は、福井泰代氏が代表取締役を務める「株式会社ナビット」が運営するWEBサイト、「助成金なう」のブログから一部を抜粋し、助成金・補助金に関する疑問や、専門用語をQ&A方式でわかりやすく紹介いたします。

事業継続のために、経営者として何を考えているか?

補助金の審査項目としてよく「事業の継続性」と書かれていますが、「事業の継続性」というのは具体的にはどのようなことになるのでしょうか。

 

例えば、創業補助金ですと、「事業の継続性」の定義として、「予定していた販売先が確保できないなど計画どおりに進まない場合も事業が継続されるよう対応が考えられていること」と書かれています。

 

一般的に創業して3年以内に廃業する企業は約7割と言われています。つまり、補助金を投入したとしても廃業してしまっては補助金の効果というものがほとんど期待できません。

 

したがって、審査項目における事業の継続性は、事業が継続させるために経営者はどこまで考えているのかを見るものと考えていただいてよいかと存じます。

想定できるリスクの洗い出しと、その対策が求められる

経営者は新たな事業を行う際に、自分の夢を思い浮かべると同時に「これはいける」という確信があるはずです。しかし、その確信は自分だけで感じているであれば、果たしてそれは市場性があるのか、本当に事業として成り立つのかが伝わりません。

 

投資家を集める際もそうですが、夢や確信の背景となるもの、それはデータであったり、マーケティングであったり、人脈であったり、販路の確保だったりといろいろあると思いますが、そうした裏付けを言語化や図式等にして伝えなければ、投資する側もこの会社に投資すれば将来のリターンが期待できると確信はできないでしょう。

 

「事業の継続性」においても、3年後もきちんと残っている3割の会社に入っているということを示さなければなりません。

 

つまり、ここでは現状で想定できるリスクをすべて洗い出し、対応策をあらかじめ考えているのかどうか、そして、それでも起こってしまったリスクに対して、具体的にどう対処するのかをきちんと明記することが重要になってきます。

 

表記の仕方としては、想定されるリスクに番号をつけ、それぞれの番号に対応した対応策を書くとよいでしょう。また、起こってしまったリスクに対しても同様です。

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