殺虫剤だけではシャットアウトできない虫の侵入
●CASE7 虫の混入をシャットアウト!食品メーカーの防虫にも効果あり
(菓子メーカー・G社・工場)
食品業界からの依頼を紹介します。近年、食品業界からの依頼が増えているのですが、その中には前回のように建物自体が沈下してはいない食品工場からの依頼も含まれています。
地盤が沈下した場合、建物にはあまり影響を与えずに地盤に空隙ができるケースがありますが、この空隙もまた、食品メーカーの頭を悩ませる種になっています。
現在の食品業界の衛生基準は、かなり厳格です。少しでも異物が入れば、その商品を全部回収するのは当たり前です。
たとえば過去、有名なメーカーの即席麺に虫が混入したことがありました。その結果、商品はすべて回収、工場の生産もストップしました。人気商品だけにメーカーとしては大きな損害となり、ブランドイメージへの影響も避けられません。
そういった「異物混入問題」が世間をにぎわしたことから、食品メーカーの防虫に対する意識が非常に高まっています。
工場の代表的な防虫対策といえば殺虫剤ですが、殺虫剤を使用し続けていると、虫にその薬剤に対する耐性ができて、やがて効果がなくなってきます。そしてさらに強い殺虫剤を使用し、また虫が耐性を獲得し・・・といういたちごっこが続けば、いずれは殺虫剤の効能が追いつかなくなり、これ以上強い殺虫剤は人体に影響を及ぼすため使えない、という状況になります。つまり、殺虫剤だけでは対応しきれない場合もあるのです。
虫の隠れ家や侵入経路になる「建物の隙間」
では、そもそも虫というのは、いったいどこから工場へとやってくるのか。
その答えは、建物の隙間です。コンクリート床と壁の隙間や、パイプとコンクリート床の隙間・・・隙間を埋めるため使われるシリコンが数年で劣化することもあり、工場には年月が経つほどたくさんの隙間ができてきます。そこに小麦粉などの「餌」が入り込めば、その香りに誘われて虫がやってきて、工場内に入り込むのです。
また、地盤にできた空隙というのは、虫の格好の隠れ家になります。床下にたくさんの空隙があるほど、虫の侵入のリスクにさらされることになります。
こうした経緯から私たちに依頼があったのが、福岡県の菓子メーカーでした。工場のコンクリート床下の空隙をウレタンで充填し、虫の住みかと侵入経路をすべて埋めることで防虫対策を施すことができます。
ウレタンはぴったりと隙間を埋め、しかも半永久的に存在するため根本的な対策となり、食品工場の虫混入のリスクを従来より低く抑えることができました。