自然摩耗や経年劣化に対する原状回復はオーナー負担
多くの人にとって大変高額と思える投資用マンション。さらに購入後も利息以外にマンションを維持するための様々な出費がかさむイメージがあるのではないでしょうか。では実際にマンション経営を続ける上で、実は出費が多いのは次のうちどれでしょうか?
1.共有部分の清掃費
2.専有部分の設備のメンテナンス費
3.入替時の原状回復費
A.2.専有部分の設備のメンテナンス費
3.入替時の原状回復費
<解説>
共有部分の清掃費は、管理費から支払うもので、大きく変動することはあまりないでしょう。問題は原状回復費です。これは退去の際に部屋全体をクリーニングしたり、壁紙を張り替えたりする費用です。
以前は敷金から相殺するケースも多々ありましたが、最近は入居者の過失による汚れやキズでなければ請求できなくなりました。また、東京の場合は、敷金そのものを受け取らない傾向が強くなっています。つまり自然摩耗や経年劣化に対する回復はオーナー負担なのです。
その費用の目安は、コンパクトマンションの場合でだいたい家賃の1カ月分。A社では平均約9万円です。この金額が退去のたびに飛んで行ってしまうのはかなり痛い。「なんとかしてよ。予定していた家族旅行に行けなくなるじゃん!」と管理会社にいいたくなるでしょう。
サブリース契約の内容によっては負担減となることも
本当のことをいうと、実はなんとかなるケースもあるのです。サブリース契約の内容によっては、このような原状回復費を管理会社で負担する場合があります。契約する際は、契約料だけでなく、どこまで責任を負ってくれるかも確認しましょう。
また最近は、原状回復だけでなく、エアコンや湯沸かし器など、設備の故障もサブリース契約の範囲内で対応してくれる会社も出てきました。コンパクトマンションの場合、このような原状回復や設備の修理にかかる費用は、35年間で数百万にもなります。かかった費用は申告上の経費に計上することはできますが、これが最初からコントロールできるならかなり魅力的な契約ではないでしょうか。
また、設備の故障に対する負担を管理会社がみるということは、故障のたびにオーナーに「どうしますか?」と聞く必要がありません。入居者から連絡が入ったら、すぐに修理または交換ができるのです。これは入居者の満足度アップに非常に有効です。