前回は、中古マンションより新築マンションを購入するメリットについて説明しました。今回は、一般的なサラリーマンが最初にマンション経営を行うなら、どのようなタイプのマンションが最適なのかを見ていきます。

初めてのマンション経営では「低リスク物件」を選ぶ

今までマンション経営という大枠で話を進めてきましたが、不動産といっても様々なタイプがあります。そこで一般的なサラリーマンが最初にマンション経営を行うなら、次のうちどのタイプが初心者におすすめでしょうか?

 

1.ファミリーマンション

2.コンパクトマンション

3.賃貸1棟アパート

 

A.2.コンパクトマンション

 

<解説>

ファミリーマンションは、文字通り家族で住むことを考えた物件です。だからコンパクトマンションよりも広く、販売価格は高額になります。

 

また、家賃もコンパクトマンションより高額になり、単身者向けのコンパクトマンションより空室リスクが高くなることから管理会社はサブリースを嫌がる傾向があります。さらに現在のような低金利の時代では、同じような立地、間取りのマンションであれば、賃料に比べて住宅ローンの月々返済額が下回ることもあり、購入を検討する人も少なくありません。そのため、ファミリーマンション賃貸需要の予測はますます困難です。

 

このような理由から、金融機関はファミリーマンションを投資用として基本的には融資してくれず、サラリーマンが行う投資用物件としては不向きといえます。

 

1棟アパートは、区分所有で販売されること自体ありません。ほとんどが1棟売りです。ですから場所が良ければ億単位の価格になってしまいます。

 

そのため、土地も建物もローンを組むと初期費用やランニングコストも高額になり、素人にはかなりリスキーだと思います。ボリュームが大きくなる分、空室リスクや金利等の変動要素も大きくなり金額面、維持・管理面の両方の理由でファミリーマンション同様に素人に向いているとはいえません。

入居者のターゲット層が広いコンパクトマンション

一方でコンパクトマンションへの投資は、サラリーマンにぴったりです。まず分譲価格が安い。東京23区内で駅から徒歩10分以内の好立地物件でも価格2,000~3,000万円程度でフルローンで購入も可能。利回りにもよりますが通常は家賃収入と毎月のローン返済は、ほぼ同額くらいでしょう。もちろんローン返済後は、家賃が収入源として受け取れます。

 

さらに入居者のターゲット層は学生、サラリーマン、高齢者、外国人など圧倒的に広く、募集に対しての優位性が高いです。だから管理会社もサブリース契約に積極的なのです。

 

もし売らなければならないことになっても、単価が安いことや安定した家賃収入が見込めることから、流動性が高いというメリットもあります。中古のコンパクトマンションとはいえ、新築価格との差はかなり縮まってきていて最近は正直、我々も仕入れるのが大変なくらいです。

 

このようにコンパクトマンションは、比較的手軽に購入でき手堅く運用できることから、もっともサラリーマンのマンション経営に適したタイプといえるでしょう。

本連載は、2015年7月2日刊行の書籍『サラリーマンのためのマンション経営一問一答』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を解説したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、出版社、著者並びに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。

サラリーマンのためのマンション経営一問一答

サラリーマンのためのマンション経営一問一答

福田 俊孝

幻冬舎メディアコンサルティング

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