おしゃれなデザインで特別感を出すデザイナーズマンション。スタンダードマンションと比べて、どちらが投資物件に向いているのか見ていきます。

デザイナーズマンションとはそもそも何か?

投資用マンションは空室にならないことが重要。ならば人気がありそうなデザイナーズマンションの方が投資に向いている?

 

○ or ×

 

A.×です。

 

<解説>
デザイナーズマンションといっても明確な定義はありません。イメージとしてはデザイナーと言われる人たちが設計した物件で、

 

●コンクリート打ちっぱなしの内外装

●吹抜けのある部屋


●アイランドキッチン


●無垢材の床フローリング

●間接照明

 

といったおしゃれなデザインが特徴です。つまりほかとは違うところがウリなのです。

 

このような特別感があることから、入居率が高く投資物件には適していると思う人は多いのですが、実は違います。

 

特別ということは建築コストがかかります。また特別な設備が多いのでメンテナンスの回数が増え、管理コストも高くなる可能性があります。これらのコストがかかると利回りが落ちます。そのため家賃は高めに設定せざるを得ません。要するに一部の高額所得層向けとなるのです。

管理コストが高くなり利回りが落ちる「デザイナーズ」

「給与所得者の年収別比率」からもわかるように高額所得層のマーケットは、平均所得層よりも小さくなります。さらに景気や流行の変化にも左右されやすい。またスタンダードな物件とは異なり、お得意様となる社宅としてのニーズもなくなってしまいます。そういった理由により、空室リスクが高くなる可能性があるのです。

 

外車にたとえるとわかりやすいかもしれません。確かに見た目はかっこいいですが、故障が多い、修理コスト高い、部品が高いという弱点がありますね。

 

メンテナンスの回数が増え、コストも高く、安定した入居を見込めない、ゆえに利回りが落ちる。デザイナーズマンションが、リスクが軽減されて特別利回りが高くなるということは、長期で見るとわからないのです。

 

オススメポイントとして強いてあげれば「カッコいい物件も持っているぜ!」という優越感でしょうか。投資マンションを選ぶとき、自分が住みたいと思えるかが重要だと言われますが、「住みたい」とは内装の特別感だけではなく、立地や賃料も含めた現実的な総合評価ではないでしょうか。

本連載は、2015年7月2日刊行の書籍『サラリーマンのためのマンション経営一問一答』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を解説したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、出版社、著者並びに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。

サラリーマンのためのマンション経営一問一答

サラリーマンのためのマンション経営一問一答

福田 俊孝

幻冬舎メディアコンサルティング

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