「床が抜けた」ですむうちはまだいいが・・・
床下の空隙がもたらす被害は振動だけでも甚大ですが、時としてそれ以上の事故につながることもあります。
床下の空隙を放置しておくと、床面が崩落してしまうこともありうるのです。「床が抜けた」という表現ですむうちはまだよいのですが、大事故に発展する危険性も否定できません。
日本では少ないですが、地下水の汲み上げがさかんで地盤沈下が激しい中国や東南アジアでは少なくない事故のようで、時折、新聞がその様子を伝えています。
たとえば、中国の住宅団地では、新築から1年も経たない棟の1階で突然、床が崩落したという事故がありました。幸い死者は出ませんでしたが、建設前の地盤整備が甘く、締め固めが緩かったので地盤沈下が起きていたことが原因だったのだそうです。
また、同じく中国では、一昨年、食品工場で操業中に1階部分の床が突然崩落し、工員5人が機械とともに転落。2人が死亡しました。
このように、床面の崩落は運搬機器や荷物の落下だけではなく、人命にも関わる惨事を招きます。さらには、引火性の液体がこぼれ、機械が落下した衝撃で発火したら・・・。
予兆を見逃さず、早めの対処が重要
ここまでの大事故になれば経済的な被害も莫大になるのは当然ですが、そこまでいかなくても、床が抜けたというだけで、修復工事にはある程度以上の費用がかかります。歩行時に床の感触でわかる予兆や、振動というサインを見逃さず、早めの対処をすることが重要でしょう。
たとえば地震の直後には地盤に空隙が生まれるケースがあります。この場合、目で確認ができないため、すぐに修復することが難しく、床がたわんでくるなど被害が悪化してからやっと気付き、莫大な修復費用がかかってしまうことが多々あります。
地震直後の場合は目に見える被害の修復はもちろんですが、目に見えない被害に対する早めの調査、早めの対策をおすすめします。