前回は、アンティークコインの相続税評価額等はどのように決まるのかを説明しました。今回は、アンティークコインを購入する際は、個人と法人のどちらの立場で買うべきかを見ていきます。

基本的には「法人」としての購入が有利

お客様のなかには企業オーナー、または資産管理会社をお持ちの方も多数いらっしゃいます。そういった方から聞かれるのが、「法人で買うべきか? 個人で買うべきか?」というクエスチョンです。購入時、売却時、相続時と、様々なケースで考えてみたいと思います。

 

<購入時>

 

法人で購入する場合、会社のお金を使って購入することができ、また、アンティークコインの内容によっては減価償却も可能になります。ただし、個人的な趣味を会社のお金を使って行った場合、税務リスクが生じる可能性もありますのでご注意下さい。

 

<売却時>

 

原則として、個人で所有しているアンティークコインを売却した場合、5年超保有していれば売却益の2分の1にしか課税されませんので、その点はメリットかと思われます。しかし一方では他の所得(給与所得、不動産所得等)と合算されて課税されますので、年収の高い方はご注意下さい。

 

会社で保有していたアンティークコインを売却した場合、2分の1の特例はありませんが、アンティークコインを売却した場合の売却益と会社の経費との相殺が可能となります。色々な経費を作って節税するのは会社の方が優れていると言えるでしょう。

相続対策としても法人のほうがいい!?

<相続時>

 

個人でアンティークコインを所有している場合、売買実例価額、精通者意見価格等を参考にして評価するのはすでにご説明した通りです(前回の記事をご参照ください)。

 

会社の場合、アンティークコインの評価方法は変わりませんが、相続税の対象となるのは会社の株式となります。株式の評価は会社財産のみならず会社の利益も加味して行いますので、場合によっては個人で所有するよりも財産評価を下げることが可能になります。

 

また、株式の場合は相続人への生前贈与も可能かと思われますので、相続税対策を兼ねて法人で所有する、というのも検討に値するかもしれません。

 

法人、個人、いずれの場合でも上記は基礎知識として押さえておきましょう。なお実際の課税などについてはお客様ごとの状況により変わってきます。

本連載は、2016年11月20日刊行の書籍『海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

西村 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

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