コインの希少性が、市場の極端な拡大を防ぐ
ウォール街のアメリカ人投資家に代表されるように、今後は世界中の金融界の資金がアンティークコインを目指してやってくると見ています。すでにその兆候は見えており、実際に市場規模は拡大し続けることでしょう。
日本の市場についていえば、現状、当社では200億円程度と見ていますが、1000億円ぐらいの規模には遠からず到達すると思います。このまま拡大し続け、将来的に1兆円の市場になるかといえば、そうはならないと考えています。
その理由は価値のあるアンティークコインが市場に出回らないからです。もし常に豊富な選択肢があるなら、アンティークコインの希少価値は消滅してしまいます。
限界があるので、私の予測では800億〜1000億円に到達した時点で一般のサラリーマンや中間層が参加し始め、デリバティブ的にアンティーク預金などが始まりだした場合に、2000億円規模でまとまりそうな感じを持っています。
もしも、1兆円の市場になるとしたら、現状100万円程度の価値のコインが1000万円の値をつけることでしょう。しかし、そこまではいかないのでは? というのが、私の見解です。
中国人が参入すれば、コインが手に入らなくなる恐れも
現在、アンティークコインの市場を支えているのは世界の富裕層です。お客様からは「彼らが世代交代したら、若い跡継ぎは興味がなくなり、買い手がいなくなるのでは?」というご意見もいただきます。これについて心配は無用です。
実は参加いただいている世界の富裕層は、トップ全体の0.1%にも満たないと思います。世界規模でも1兆円そこそこの市場ですから、実際にはまだまだ知られていないというのが現状です。
また、アンティークコインを親から子へ継承するという意味は、ヨーロッパの人々にとって、我々日本人が考える以上の意味があります。世代交代は特に問題視していません。
今後は日本、アメリカ、そしてヨーロッパと世界的に認知度が高まり、参加人口が増加していくと思います。先進各国に影響され、発展途上国のトップがこれに参加し、さらに世界で広がりを見せていきます。
また現在、中国人の主な関心は自国の古銭にあります。中国人がヨーロッパコインに本格的に関心を持ち、市場に参入してくることがあれば、一気に市場は拡大することでしょう。ただそうなれば、物がなくなってしまう恐れもあります。
アンティークウォッチがまさにそのような動きをしました。3年前、ヨーロッパをはじめとするアンティークウォッチに中国人が目をつけ、価格が一気に跳ね上がりました。そのような状況がアンティークコインに起きないとは言いきれません。