前回は、アンティークコイン市場で存在感を見せるアメリカ人投資家の動きを説明しました。今回は、アメリカ資本が主導した「アンティークコイン価格」の高騰事例を紹介します。

同グレードのコインでも、1年で価格に大きな差が…

2015年の1月、ニューヨークのオークションにて、その時点の「ウナとライオン」の最高鑑定が単品で出品され、当社が落札しました。

 

入札価格が22万ドルに対して、17.5%のオークション手数料がプラスされ、25万8500ドルは当時のレコードで大変な注目を集めました。当時のレートは1ドル125円前後でしたから、消費税を含めて約3000万円少々という価格は業界では大きな話題となったものです。

 

なにしろ、前年の同グレードの「ウナとライオン」は2000万円で取引されており、1000万円も高い結果となったのですから、当然だと思います。

「ウナとライオン」の価値はたった8カ月で2倍に

それから8カ月後の2015年の9月24日、イギリスのオークション会社ボルドウィンにて、9月時点での最高鑑定の「ウナとライオン」が出品されました。この時、単品ではなくフルセットでの出品で、約42万ポンドで落札されたのです。

 

落札手数料はプラス20%、さらにイギリスでの購入ですから消費税もかかってきます。それらを含めて日本円に換算するとトータルで約1億円でした。フルセットの場合は7割が「ウナとライオン」の価値と言われていますから、たった8カ月で「ウナとライオン」の価値が2倍になったことを意味しています。

 

これを落札したのがアメリカ人の投資家でした。年初の当社の落札レコードの倍近い金額をアメリカ人投資家が支払ったことになります。「ウナとライオン」の人気ぶりもさることながら、値上がりを見越して高額な買いを入れられるアメリカ人投資家の動きは脅威と言えるのではないでしょうか。

 

[図表]BALDWIN社ウェブサイト

http://www.baldwin.co.uk/
http://www.baldwin.co.uk/

本連載は、2016年11月20日刊行の書籍『海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

西村 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

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