近年では日本の富裕層にもコレクターが増えつつあるアンティークコイン。本連載では、なぜアンティークコインがこれほどまでに富裕層を魅了するのか、その理由を探ります。

アンティークコインで「預金」できる日が来る!?

ネットの普及、オークションの整備により、一般に知られるようになったアンティークコイン。この先、さらに発展を遂げることになるでしょう。市場の拡大はもちろんですが、アンティークコインが通貨の代わりになる世界も遠からずやってくる可能性を感じています。

 

一例を挙げるなら、海外のコインショップでは買物をする際、ドルやユーロでなくとも、「アンティークコインでアンティークコインを買う」ということが当たり前のようにできます。

 

ただ、私が描いている未来は直接的に売買に使えるというより、仮想通貨、電子マネーに似た使用法ができる、アンティークコイン預金です。

 

例えばサラリーマンの方が100万円のボーナスを手にした時、使い道がなければ銀行に預けるのが当然だと思いますが、「100万円」ではなく「100万円相当のアンティークコイン」を銀行に預け入れるようなイメージを抱いています。

 

今後、認知度のアップによりアンティークコインは間違いなく品薄になり、価格はさらに上昇していくものとみています。一般の給与所得で生活している人にとって、なかなか手を出しにくい価格帯になることも十分に想定できます。

 

「アンティークコイン預金」は、我々一般的な所得層にとって、アンティークコインをより身近な存在にしてくれる制度になるのではないでしょうか。

コインの購入代金が重要に・・・領収書は必ず保管を

アンティークコインを売却した際、譲渡益が出れば課税の対象になり、申告が必要となります。その際の計算式は次の通りです。

 

頻繁に売買を行わない個人の方がアンティークコインを売却した場合の計算方法

【売却価額–(購入代金–譲渡費用)–50万円】

※野原税理士事務所野原雅彦氏より

 

購入代金には、アンティークコインの代金に加え、購入した際に支払った手数料なども含まれます。譲渡費用とは、売るためにかかった費用(手数料など)です。

 

なお、長期で所有していたアンティークコインを売却する場合、つまり「長期譲渡所得」の場合は利益の2分の1が課税対象となります。例えば、8年前に300万円で購入したアンティークコインを500万円で売却した場合の計算方法は次のようになります。

 

長期譲渡所得の計算例

(500万円–300万円–50万円)×1/2=75万円

 

この場合、75万円に対して、給与所得や不動産所得など、他の所得と合算して所得税や住民税が課税されます(総合課税)。したがいまして、税率がいくらになるかは他の所得の状況も加味されることになります。

 

なお、購入した金額が分からない場合、売却価額の5%しか控除することができません(先ほどの例でいうと、300万円のところが25万円となります)。

 

購入したアンティークコインを仮に将来売却する場合、購入代金は税金の計算上ポイントとなりますので、売買時の領収書等は無くさずに保管しておいて下さい。

 

ちなみに、アンティークコインの売買をなりわいとしている方や頻繁に売買を繰り返す方は計算方法が異なります。判断に悩まれる場合、税理士等の専門家に一度相談してみて下さい。

 

[図表]アンティークコインを売却した際の課税

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    本連載は、2016年11月20日刊行の書籍『海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

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    西村 直樹

    幻冬舎メディアコンサルティング

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