「物元業者」か「客付業者」か?
買手である皆様から見た不動産屋の立場は、物元業者と客付業者の二つに分かれます。
例えば、私がアパートを売ろうとした場合、私は永富君の会社に依頼します。この時の永富君の会社の立場が「物元業者=元付業者」と呼ばれます。
売主にくっついている業者というイメージです。
売主は物元業者を1社だけにすることも複数社にお願いすることも可能です。一般的には、1社~3社程度です。
永富君はこのアパートを売るために、レインズ(不動産会社が、主に中古物件や土地情報を交換するための不動産情報ネットワーク)に掲載したり、知り合いの不動産業者に声を掛けます。こうして公開された情報を見て、買手を探してくる立場の不動産屋を「客付業者」と呼んでいます。
自分達で探した買主にくっついている業者というイメージです。
物件の「公開」「非公開」も売り主の自由
ある一つの不動産に対する不動産会社の立場の大半は「客付業者」に位置しています。通常、売主は、その物件を「非公開」で売るか「公開」で売るかを選択します。
私が「非公開」を選択した場合、永富君はレインズに掲載することができず、自分が知っている顧客や、信用できる不動産業者のみに声をかけます。
「公開」を選ぶと、レインズに掲載することができ、不動産業者なら誰でも、この物件を取り扱うことができます。
売主の立場に立つと、「公開」を選んだ方が、幅広く募集をかけることができ、希望の条件で売れる可能性が高く、大半の売主は「公開」を選ぶように感じるかもしれませんが、意外と「非公開」にする売主さんも多いのが現状です。
「隣近所に売りに出したことを知られたくない」とか「一社に任せた方が本気で取り組んでくれる」など、売主さんによって、事情や思惑は様々なのです。
買主目線で見ると「非公開物件」の方が競争が激しくないので、比較的お買い得物件は多いかもしれません。
皆様は「楽待」や「健美家」などの不動産検索サイトから、資料請求をしたり、詳細を質問した時から、その不動産屋さんとの付き合いが始まりますが、その時の彼らの立場は「物元業者」か「客付業者」かのいずれかです。