今回は、売主か買主かによって大きく変わる不動産業者の立場について見ていきます。※本連載は、普通の会社員でありながら、不動産投資で大きな成功を収めている高岡政彦氏の著書『年収350万円からの大家さんライフ』(マイナビ出版)の中から一部を抜粋し、物件探しの方法から購入までの実務を紹介します。

「物元業者」か「客付業者」か?

買手である皆様から見た不動産屋の立場は、物元業者と客付業者の二つに分かれます。

 

例えば、私がアパートを売ろうとした場合、私は永富君の会社に依頼します。この時の永富君の会社の立場が「物元業者=元付業者」と呼ばれます。

 

売主にくっついている業者というイメージです。

 

売主は物元業者を1社だけにすることも複数社にお願いすることも可能です。一般的には、1社~3社程度です。

 

永富君はこのアパートを売るために、レインズ(不動産会社が、主に中古物件や土地情報を交換するための不動産情報ネットワーク)に掲載したり、知り合いの不動産業者に声を掛けます。こうして公開された情報を見て、買手を探してくる立場の不動産屋を「客付業者」と呼んでいます。

 

自分達で探した買主にくっついている業者というイメージです。

物件の「公開」「非公開」も売り主の自由

ある一つの不動産に対する不動産会社の立場の大半は「客付業者」に位置しています。通常、売主は、その物件を「非公開」で売るか「公開」で売るかを選択します。

 

私が「非公開」を選択した場合、永富君はレインズに掲載することができず、自分が知っている顧客や、信用できる不動産業者のみに声をかけます。

 

「公開」を選ぶと、レインズに掲載することができ、不動産業者なら誰でも、この物件を取り扱うことができます。

 

売主の立場に立つと、「公開」を選んだ方が、幅広く募集をかけることができ、希望の条件で売れる可能性が高く、大半の売主は「公開」を選ぶように感じるかもしれませんが、意外と「非公開」にする売主さんも多いのが現状です。

 

「隣近所に売りに出したことを知られたくない」とか「一社に任せた方が本気で取り組んでくれる」など、売主さんによって、事情や思惑は様々なのです。

 

買主目線で見ると「非公開物件」の方が競争が激しくないので、比較的お買い得物件は多いかもしれません。

 

皆様は「楽待」や「健美家」などの不動産検索サイトから、資料請求をしたり、詳細を質問した時から、その不動産屋さんとの付き合いが始まりますが、その時の彼らの立場は「物元業者」か「客付業者」かのいずれかです。

年収350万円からの 大家さんライフ

年収350万円からの 大家さんライフ

高岡 政彦

株式会社マイナビ出版

「不動産投資」と聞くと、収入に余裕がある富裕層向けのもの…という先入観をお持ちの人も多いでしょう。でも、実は年収350万円あれば不動産投資はできるのです。しかも、不動産という投資対象は株やFXなどと比べてもっともロ…

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