利回りが1%違えば、物件価格は1割違ってくる!?
利回り10%と11%。数字で見ると誤差のように感じられるかもしれませんが、凄い違いです。(本書『年収350万円からの大家さんライフ』第1章参照)
例の物件価格5000万円、表面利回り10%のアパートの場合、満室想定収入は500万円でした。
仮に、交渉の結果、このアパートを表面利回り11%で購入できたなら、価格はいくらになるでしょうか?
500÷0.11=約4545万円です。10%近く安くなります。
仮に、表面利回り12%まで交渉できたら、
500÷0.12=約4166万円です。表面11%からまた10%近く安くなります。
収益不動産の販売図面の大半は表面利回りが記載されています。同じようなエリアで、同じような物件の表面利回りは似たような数字です。でも1%違えば、物件価格は1割違いますし、0.5%違っただけでも、買値は何百万と変わります。
利回りの1%は大きい、このお金の感覚は身につけておいてください。
平均的な利回りから+1.5%~2%位が、指値の限界
最近、急速にアパートを所有したこともあって、「アパートを買うセミナー」みたいな集まりで、何度か話をすることとなりました。私にそんな大役が務まるわけもないので、質問の時間を長くとったのですが、「指値は売値の何%位で言うのがいいですか?」また 「指値でどこまでディスカウントできますか?」など「指値」に関して悩んでいる方が大勢いらっしゃいました。
この質問には、売値を基準に考えたなら、明確な答えはありません。そもそも売値は、現在の所有者が勝手につけています。
仮に、5000万円が希望売却価格だとしたら、
●どうせ値切られるから5280万円で出そう。
●表面利回り10%がキリがいいから、その価格で出そう。
●びた一文値下げする気はないから5000万円で出す。
●とりあえず5500万円で出して反応を見よう。
など、売手側の考え方も様々です。
ただ、売主は意外と自分の物件の周辺相場を知っています。利回りを基準に考えると、ある程度の「指値」の目安は出ます。
この物件の同一エリアで似たような建物の売りに出されている平均的な利回りから、+1.5%~2%位までが、MAXで指値できる限界だと思います。
あまりに法外な指値をすると、不動産業者からも売主からも相手にされなくなるので、お気をつけください。
ここまでが「不動産購入」の序盤戦です。
●物件探し
●資料請求
●物件検討
●現地調査
●指値、値段交渉
●値段合意
野球なら5回裏が終わったところです。本連載の次章では後半戦にあたる「ファイナンス」について説明していきたいと思います。