前回は、事業計画書作成のための「資金繰り表」を自分で作る方法を説明しました。今回は、「経営改善計画書」の作り方を見ていきます。

決まった形式はなく、社長の考えがわかるものならOK

次に、経営改善計画書です。これも決まった形式はなく、現在の経営状況をどのような手段や方法で改善していくつもりなのか、社長の考えがわかればOKです。

 

ポイントは、次の3点です。

 

●経営改善のために、どんな対策を行うか

具体的に収益アップにつながる対策を書きます。間違っても「景気が回復するのを待ちます」とか「営業マンに頑張らせます」とかの他力本願ではダメです。

 

たとえば営業に力を入れるなら、「営業マンの採用を1名増やしてマンパワーを上げる」とか「営業の仕組みをこのように変える」とかいった、〝実際にやること〟を書きます。

 

古くなった店舗を改装するといった施策や、新しい仕入れ先を開拓するといった施策、業績の悪い部門を閉鎖する施策なども説得力があります。難しく考える必要はないので、自分がこれからやろうとしていることを素直に書き出してください。

 

●いつまでにするか、結果がいつ出るか

そして、それらの対策をいつまでにやるのか、対策の成果がいつ出るのかといった見通しも明記してください。「1年目はこうで、2年目はこう」というふうに1年ごとの変化や成長がわかるようにしましょう。

 

●銀行にどうしてほしいのか

最後は、この計画を進行するために、銀行に何をしてほしいのかを具体的に書きます。いくらのお金を貸してほしいのか、どのくらいの期間で借りたいのか、返済額をいくらでスタートしたいのか。そういったことも書きましょう。

借入状況を把握して銀行との融資交渉に備える

ちなみに借入金の限度額・理想値を図表に示しておきます。参考にしてみてください。

 

[図表]借入金の限度額・理想値

 

ここまで作っておけば、この後の作業を税理士や経営コンサルタントに任せても、社長の意思を反映した事業計画書を作ってくれるはずです。

 

また、銀行融資の交渉に出向いたときも、社長自身の言葉で要領よく内容を伝えることができます。

本連載は、2016年11月10日刊行の書籍『銀行に好かれる会社、嫌われる会社』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

鈴木 みさ

幻冬舎メディアコンサルティング

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