写真:GTACスタッフ

高速道路が開通し主要都市が結ばれ始めたスリランカでは、それぞれの都市においても大掛かりな都市計画が予定されています。今回は、日本も支援しているコロンボの都市計画についてお伝えします。

都市計画のお手本は「シンガポール」

不動産投資の戦略を左右させる要因は高速道路以外にもある。それは都市計画の方向性であり、この点に関しては現政権と旧政権のスタンスは異なっている。

 

旧政権は確固とした都市計画を掲げてはいなかった。しかし、現政権は最も計画的な発展を成し遂げた都市のひとつであるシンガポールとの協働のもと、体系だったアプローチを取りたいと主張している。このような違いはあるものの、両政権ともコロンボの渋滞の解消は必要だと考えている。この問題に取り組むことは、経済を発展させる上で不可欠であり、国民からも支持を得やすい。

モノレール建設を含むマスタープランを策定

そのような背景の中、2014年にJICAの支援のもと、コロンボ都市交通マスタープランが策定された。この計画の内容は多岐にわたり、モノレール計画や鉄道設備の刷新、BRTs(高速バス輸送システム)やバス優先道路の導入などが盛られている。このマスタープランがいつどのように完全実施されるか、その予測をするにはまだ早いだろう。しかし、どの政権が実行に移すとしても、短期にそして容易に着手しやすい計画から採用されるはずだ。

 

そのひとつは、さほどの設備投資が要求されずとも通勤者に利便性を与えるBRTsの導入だろう。ゴール通りを含む回廊地帯は、BRTsの通り道として指定されている。ゴール通りは通勤者の生命線でもあることから、おそらくBRTsが導入されるエリア第1号となるだろう。

 

この回廊地帯の不動産価格は既に高い。しかし、コロンボ南部の郊外に住む人々にとって、この地域はより一層魅力的な環境になるため、更なる恩恵を受けることは約束されているはずだ。

 

次回は、政治状況にかかわらず発展を続けるとされるスリランカの観光産業を中心にご説明します。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年10月に掲載した記事「Sri Lanka’s economic transformation and real estate」を、翻訳・編集したものです。

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