写真:GTACスタッフ

スリランカの不動産投資事情についてお伝えしている本連載。今回は、これまでかなりの資金力が必要だった不動産投資において、プレイヤー増加への切り札となる「REIT」導入に向けた動きがあることをご紹介します。

世界の不動産長者のうち、過半数はアジアの出身

比較的安定的とは言っても、不動産にも圧倒的な利益を生み出すポテンシャルはある。Forbes誌の2015年度長者番付に載る1838人のうち、157人は不動産で財を築いているのだ。実のところ不動産業界は、アパレル業界(186人)と投資業界(161人)に次ぎ、長者番付で3番目に多く見られる産業である。

 

不動産で儲けている億万長者の上位20人のうち、12人がアジア太平洋地域の出身だ。その大半はたたき上げで出世し、香港やシンガポールでここ50年に起きた急速な都市発展の波を乗りこなして富を手に入れている。

「REIT」の導入の動きが活発化する理由とは?

現在、自宅を所有することよりも熱心になる人もいるほど、注目がされているスリランカでの不動産投資だが、ある程度の資産を持たない限りは、そもそも投資機会がない。コロンボの中心部および大コロンボ圏にある不動産の平均価格は、1平方パーチ(約25平米)あたり、400万から500万スリランカ・ルピーと高額だ。そのため、多くの人にとって不動産への直接投資はしにくいものだ。

 

代わりに上場しているデベロッパーに投資をするという選択肢もあるだろう。しかし、投資対象と言えるような不動産会社はOverseas Realty (Ceylon) PLC社の1社しかない。残念ながら、この会社の株式はやや流動性が低いため、企業価値が常に反映されているわけではない可能性がある。

 

不動産投資をもっと一般化するべく、証券取引委員会はREIT投資のための国際基準を取り入れた法的基盤の整備に取り組んでいる。REITによってあらゆる投資家が、資金の多寡にかかわらず不動産投資に関与できるようになる。またREITは不動産の専門家によって運営されるため、投資家は資産運営のプロに投資判断をアウトソーシングできることにもなる。

 

次回は、高速道路開発を中心としたスリランカのインフラ整備が不動産投資に及ぼす影響をご紹介します。
 

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年10月に掲載した記事「Sri Lanka’s economic transformation and real estate」を、翻訳・編集したものです。

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