銀行は融資を検討する際、企業のどこをチェックするのか?

前回は、小さな会社の事業戦略である他社と戦わずに生き残る方法を取り上げました。今回は、銀行は融資を検討する際のチェックポイントを見ていきましょう。

重視するのは融資先の「将来性」「安定性」

さて、自社の事業の優位性を知ることは、融資の点でも重要です。なぜなら、銀行は融資先の会社の「将来性」や「安定性」を見ているからです。

 

具体的にどういうところをチェックしているかというと、次のようなポイントがあります。

 

●特定の売上先への依存度

●企業ホームページの有無

●企業信用調査会社(帝国データバンク、東京商工リサーチなど)のデータ掲載状況

●新規の取引先の掲載情報の活用

 

順番に解説していきましょう。

 

●特定の売上先への依存度

大手企業の下請けなど、特定の取引先に売上の大半もしくは全部を依存している場合、調子の良いときはいいのですが、もしその取引先企業が倒産したり、取引を打ち切られたりしたときに、途端に事業が成り立たなくなるリスクが高くなります。そのため、銀行は融資に慎重になります。

 

●企業ホームページの有無

銀行は企業のホームページも見ています。このIT時代にあって、自社のホームページを作っていない会社は「時代遅れ」「ビジネス感覚が弱い」と思われてしまう可能性があります。A社かB社か迷ったときに、「今どきホームページもない会社って……」などと判断されてしまってはもったいないでしょう。小さな会社は大々的に宣伝を打つのも難しく、ホームページが最大のPRになるケースも多いでしょう。そういう意味でも、ホームページは必須とさえいえるかもしれません。作りっぱなしで何年も情報を更新していないホームページや、「形だけとりあえず作りました」感いっぱいの内容の薄いホームページなども要注意です。

企業信用調査会社の掲載依頼には好意的な対応を

●企業信用調査会社のデータ掲載状況

企業信用調査会社にデータが掲載されているかどうかも、彼らはチェックしています。特に帝国データバンクの掲載内容を閲覧するとよくわかりますが、それぞれの企業の非常に詳細な情報まで書かれています。帝国データバンクの信頼性は高いですから、ここで優良な会社としての情報を残すことができれば、世間に対して好印象を与えることができます。

 

企業信用調査会社から掲載依頼があったときに、邪険に扱ったり迷惑そうな態度で応じたりすれば、それはそのまま記録に残ります。会社の業績だけでなく、社長の人となりも見られているのです。

 

銀行が企業信用調査会社から資料を取り寄せて見たときに、いまいちな評価であったら、どう思うでしょうか。銀行以外にも、たとえば自社に興味を持ってくれた大手企業が企業信用調査会社に問い合わせをして、どんな会社かを調査するかもしれません。決して「良い格好をしろ」と言うわけではありませんが、社会の目・第三者の目というものを、ある程度は意識する必要があると思います。

 

●新規の取引先の掲載情報の活用

新規の取引先が増えることそのものは喜ばしいのですが、危険が潜んでいることもあります。特に新規で大きな仕事が入るときは、すぐに飛びつかないで慎重になるべきです。相手のことを調べずに飛びついた結果、納品したのに売掛金が回収できなかったりするケースが時々起こるからです。

 

銀行は「社長は大きな仕事が入ると見込んで喜んでいるが、本当に売上につながるのか」「騙されてはいないのか」といったことを当人以上に本気で調べています。自社で新規の取引を始めようとするときには、「きっと大丈夫」「うまくいくはず」という感覚で契約を交わしたり、取引を始めたりしないことが大事です。自分でも新規取引先の情報を取り寄せ、調査するようにしましょう。

 

ちなみに、ダマそうと思って近づいてくる取引先は、最初の数回は小さな取引で安心させ、こちらが信用したタイミングで急に大きな仕事を入れてくる傾向があります。「1回目、2回目の支払いが行われているから大丈夫」と思っていると、3回目の大きな仕事で納品したとたん、「倒産しました」と連絡だけがきて、売掛金を踏み倒されるパターンがあります。こういう悪質な取引に引っかからないためにも、事前の調査は必要です。

株式会社スタジオM 代表取締役
Intelligent Financial Management株式会社 取締役 

ファイナンシャルプランナー(AFP)。村田簿記学校を卒業後、20年間の会計事務所勤務を経て、2003年9月にIntelligent Financial Management株式会社を設立。2014年7月、株式会社スタジオMを立ち上げ、代表取締役に就任。

著者紹介

連載銀行に好かれる会社になるための「事業戦略」の立て方

本連載は、2016年11月10日刊行の書籍『銀行に好かれる会社、嫌われる会社』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

鈴木 みさ

幻冬舎メディアコンサルティング

人口減少とともに市場が縮小し、内需にかげりが見える昨今。働き手の不足による業務負担の増加など、小さな会社は厳しい状況に置かれています。実際に、9割の企業が起業後30年以内に消滅しているというデータもあります。そん…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧