資金繰りに苦しみ、経営の先行きに不安を抱く中小企業経営者にとって不可欠なのが銀行からの融資です。本連載では、融資審査で自社の「事業」がどのようにチェックされるのか、具体的な例を用いながら、融資を受けるための戦略について解説します。

小さな会社は「オンリーワン、ナンバーワン」を目指せ

大企業でも淘汰される時代、小さな会社にとって生き残りは深刻な問題です。競合他社と同じことをしていたのでは、ブランドも資金力も弱い小規模企業はまず存続・成長していけません。何か他にはない強みを打ち出していくことが、生き残りの必須条件ではないでしょうか。

 

小さな会社が目指す方向性としては、顧客や取引先から「ここしかない」「ここがいい」と言われるオンリーワン、ナンバーワンの会社になることだろうと思います。そうすれば、他社と戦うことなく選んでもらうことができます。

小さな会社特有の「3つ」の強みとは?

小さな会社には大きな会社にはない強みがあります。主に3つあるのですが、まずひとつは、大きな会社に比べると、多少利益が小さくてもやっていけることです。小回りがきくので小さなロットで注文が受けられたり、身近にいるお客様にきめ細かなサービスを提供できます。

 

ふたつめは、小さな組織ほどフットワークが軽いことです。新しいアイデアを思いついたらすぐに挑戦できます。やってみてダメだと思ったら、方向転換もできます。ほぼ社長一人の権限で物事を決められますから、スピーディに行動に移して時代の流れに臨機応変に対応でき、成長していける武器になるのです。ただし、暴走には気をつけましょう。

 

3つめは、経営のテコ入れをしたときに、結果が出やすいことです。小さな会社は事業の規模も小さく、事業内容もシンプルであることが多いので、たとえば経費の見直しをするだけでも利益が増やせるケースが多くあります。「経営戦略」などというと、とても高度で複雑で難しい気がしますが、実は自分たちの足もとをちょっと見直すだけで、改善できることはたくさんあります。

本連載は、2016年11月10日刊行の書籍『銀行に好かれる会社、嫌われる会社』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

鈴木 みさ

幻冬舎メディアコンサルティング

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